『2037』モ・ホンジン監督,2022(駐大阪韓国文化院「大阪韓国映画祭」)高校中退した19歳のユニョン(ホン・イェジ)が,アルバイトの帰りに強姦され,その犯人を殺してしまう. 『2037』予告編,ホン・イェジ 過剰な反撃と報復は「正当防衛」とは認められない.しかも顔見知りであり,死んでしまっているので強制性交かどうかも不明,とされる.私たちは,その男と犯行を目撃しているしどうして,ユニョンが反撃にでたのかも知っている.男が犯人であり,殺されてもしかたがないことを(男の観客として)恥じ入るのだが,映画のリアリティは,現実社会とおなじく冷徹に既存のルールにしたがい,社会を護る.その社会とは,誰の…