文政3年7月。この頃、上行坊という僧が加持・灸点(祈祷や灸)をして大流行りとなる。金銀・銭などは受け取らず、無料で加持・灸点を行う。名古屋では弘法大師の生まれ変わりと言っていた。もっぱら光明真言(真言密教の呪文)を授ける。この僧と講中(信者)が考え、名古屋21大師というものを始め、その寺々においおい茶所などを建立する。その様子は名古屋33観音と変わるところはなかった。上行坊のことは程なくして廃れ、その後聞かなくなった。いかにしているのか。21大師は左の通り。一番 門前町大須 宝生院 二番 門前町 七ツ寺 三番 光明寺町 千手院 四番 三蔵筋乳花薬師 東光寺 五番 袋町筋桑名町西へ入 延命院 六…