「リ組会」という集団がある。江戸の火消しみたいだが、1966年に東京の私立大学の同じ学部に入学し、語学のクラスで2年間一緒だった者たちの、まあ、飲み会仲間の名前だ。 新型コロナによる行動規制が緩み、3月31日に東京都江東区の焼き鳥店で3年2カ月ぶりに顔を合わせた。 3年余の空白は、75歳以上の男たちに建設的な何物をももたらしていないことがわかった。第一に、7人のメンバーのうち2人が参加できなかった。1人は膝の状態が悪く長く歩けない。もう1人は奥さんの病気でそばを離れられない、ということだった。 最後に店に入ってきた男は心臓と肺をつなぐ大動脈の手術を受けるので5月で老人福祉施設の職を辞めると言う…