『続・石原吉郎詩集』(思潮社、2000、初版第二刷)の巻末に鮎川信夫と吉本隆明の対談があり、そこで鮎川が石原の晩年の奇行について述べている。 鮎川信夫:(省略)彼が死ぬ一月ほど前に会った人がいっていたけれども、そのひとは詩壇では誰も知らないひとですけど彼(=石原吉郎、注)は意外に自分が詩でやってきたことばかり喋っていたというの、初対面なんだよ。ぼくはこういう詩集を出して、この詩のこういうところが認められて何々賞をもらってという風な話ねlたしか彼は最初の詩集でH氏賞とっているでしょう。 吉本隆明:ええ、『サンチョ・パンサの帰郷』で。 鮎川信夫:それでその後「荒地」に入って、『望郷と海』で歴程賞も…