近頃ご無沙汰気味のクラシック音楽を聴こうかという気になって、年末から年始にかけ、NHKオンデマンドの「プレミアムシアター」で過去の番組を興味のおもむくままに見てみた。そのなかにバレーがいくつかあり、これがなかなか楽しい。ベートーベンの『第9』にモーリス・ベジャールが振付けたNHKホール公演、パリ・オペラ座のバレー『赤と黒』、同じくパリ・オペラ座の創立350年記念ガラ公演など。鍛え上げられた人間の肉体はここまで美しいのか。バレーって、飛んだり跳ねたり回転したりするだけではないのである。ダイナミックな跳躍もさることながら、小さなしぐさや顔の表情まで表現力に満ちている。しかも、すべての動作に過剰な部…