1992年にデビューし、京浜東北・根岸線で使用されていた電車。
次世代の標準車両となるべく開発された試作電車で、抜本的に設計を改め、現代の通勤電車(走ルンです)のさきがけとなった。
編成ごとに異なる特徴を持たせた3編成が川崎重工、東急車輛、JR東日本大船工場で製作された。
その後、各種試験やアンケートを元に量産タイプの209系が量産され、細部の仕様は3編成のよい部分をモデルに製作された。
209系量産型の登場に伴い、試作車901系も量産車に近づける改造を受けて209系900番台に編入され、A編成が900番台(ウラ90)、B編成が910番台(ウラ91)、C編成が920番台(ウラ92)として2007年初頭まで活躍した。
登場時の特徴
A編成
- 全10両が川崎重工製
- ツーハンドル式
- 集中型ユニットクーラー
- 客室側面の大窓が中央で2分割された1段下降式
B編成
- 全10両が東急車輛製
- ワンハンドル式
- 室内外ユニット分割形クーラー
- 客室側面の大窓が非分割の固定窓
C編成
- 8両が川崎重工製で、サハ2両がJR東日本大船工場製
- ツーハンドル式
- 8両が集中型ユニットクーラー。サハは室内外ユニット分割形クーラー
- サハ901-10には、車内広告用の液晶テレビを設置。
- 一部車両では室内蛍光灯の向きが枕木方向と並行に配置されている。(普通は線路方向と並行)
その他量産車との違い
- 扉上にLED式案内テロップ装置を持たない
- 乗務員室との仕切り窓が運転席背後までカバーする大型展望窓
- スイス製リニアモーター式ドアエンジン
量産化改造
- ワンハンドルマスコンに統一。
- 運転席後ろに非常時にぶち破って脱出可能な構造の仕切り壁を設けた*1。それに伴い乗務員室越しに前方を展望できていた大型一枚窓構造だったものが縮小された。
- 液晶テレビ式広告装置撤去。
現在の状況
2007年4月を以って廃車され、クラッシュテストに供された車両を除き長野総合車両センターにて順次解体された。