Armor Piercing Discarding Sabot、装弾筒付徹甲弾。
砲弾の貫徹力は質量よりも速度に影響を受け易い。そのため同程度の炸薬量であれば軽い砲弾の方が高速で射出でき、有利である。また、砲弾は細い方が空気抵抗を受け難く、速度が低下しない。
理想的には炸薬量の増加/小口径化/砲身長の増加を図りたいところだが、徒に新規格を乱立させるわけにはいかないため、従来の砲を利用しながらより上記条件を満たす方法として、細く硬い弾芯の周囲に炸薬の燃焼ガス圧を逃がさないための軽い装弾筒を装着する砲弾が開発された。
軽い弾体は高初速で射出され、装弾筒は空気抵抗により空中で脱落し細い弾芯だけが高速で飛翔する。
貫徹力だけから言えば針のように細長い弾芯が理想だが、直径に対する長さの比が6を上回ると飛行姿勢が安定しなくなるため、その限界を超えない程度の長さに調節されている。