2.6 昭和の結婚式はほとんどが神式だったが教会式が輸入されると瞬く間に定着した。非キリスト教徒にもかかわらずチャペル式が定番化したのは花嫁の憧憬を具体化していたからだ。教会を備えた結婚式場が乱立しオルガン奏者や英語なまりを操る白人役者ににわか需要が生じキリスト教徒ではないばかりかいかなる教徒でもない親族郎党が全員で「慈しみ深き友なるイエスは~」と312番を歌った。 これらの茶番をささえたのはチャペル式とそのマーケティングが花嫁の琴線をド直球的にくすぐったから、だった。父親とバージンロードを歩き指輪を交換し誓いのキスをし花びらのシャワーを浴びる・・・そのような皮相のパラメータに対して、花嫁とい…