安楽寺(あんらくじ)は、住蓮山安楽寺と号する浄土宗の寺院である。 鎌倉時代の初め、現在地より東1kmあたりに、法然上人の弟子、住蓮上人と安楽上人の2人が鹿ヶ谷草庵を建てて人々に念仏を布教していた。 たまたま、後鳥羽上皇の官女の松虫姫と鈴虫姫が教化を受けて、密かに出家する出来事があった。上皇の立腹を受け「専修念仏停止」の宣下によって、両上人は死刑、法然上人は讃岐国(現在の香川県)に、親鸞上人は、越後国(今の新潟県)に配流された。 これがいわゆる建永2年(1207年)の法難である。 下って室町時代の末、天文年間(1532年~1555年)に、両上人の供養のため、この地に伽藍が再興されたのが当寺である…