「過ち」と「過剰」 ボボ・ステンソンの新作である。 孤高のピアノトリオ。 いつも襟を正して聴かなくてはと思わせる。 聴くには気構えが求められるが、新作が出るたびに、 どんな音か聴いてみたくなる。 今回のアルバムは、かなり実験的で思索的なアプローチが際立つ。 ポポ特有のいつものサラリとした、枯れた感覚とは違って、 クラシカルであるだけでなく、 かなり求心的と言おうか、コンセプチャルな匂いが強い。 力まない、時の流れに身を任せるようなボボのピアノトリオの世界が 好きな私にとって、この少し過剰というべき、説明臭さは、 最初、鼻についたが、聴き進めていくうちに、特に後半は、 やはりボボマジックにかけら…