LAを活動の拠点にするアーティストたちによるスピリチュアルジャズコレクティヴ。
LAのブラックジャズのミュージシャンにとって重要な存在であったNimbus(現Nimbus West)レーベル。そのレーベルを生んだきっかけであるHorace Tapscottが、61年にしたPan-Afrikan Peoples Arkestraに参加していたヴォーカリストDwight Tribleと、Ammon Contact結成前にライブのプロデューサーなどを行っていたCarlos Ninoによる出会いから始まった。Horace Tapscottの没後、彼への追悼の意を込め作られたDwight Tribleのアルバム『Horace』をCarlos Ninoがプロデュースしたことを経て彼らの親交が深まり、2001年9月11日の同時多発テロを契機として「平穏な世界」を提示すべくこのプロジェクトは発足するに至った。そしてCarlos Ninoは、自身の担当するラジオプログラムと長年培ってきたコネクションを通して様々なアーティストがこのプロジェクトに集った。
主なメンバーは前述の二人に、ブラックジャズレーベル‘Tribe’の創設者でありトロンボーン奏者のPhil Ranelin、Nimbusレーベルの看板ピアニストNate Morgan、Hu Vibrationalの中核でドラマー/パーカッショニストのAdam Rudolph、アフロセントリックジャズファンクバンドThe Pharoahsの創始者でありドラマー/パーカッショニストのDerf Reklaw、西海岸を代表するシンガーソングライターDamon Aaron、西海岸のアーティストの数々のジャケットを手掛けてきたフォトグラファーB+など。他にはAran ightner、Lesa Terry、Joshua Spiegelman、Peter Harris、Trevor Ware、Baba Alade、Andres Renteria、Trancey Hart、Gaby Hernandez、Bob Wisdom、Mark & Miles Maxwell、Debra Pill、James Richardsが参加している。
初めに集ったときにレコーディングされたSun Raのカバー曲「The Stars Are Singing Too (Door of The Cosmos)」はオランダ・アムステルダムのKindred SpiritsのSun Raのカバーコンピレーションアルバム『Sun Ra Deication : The Myth Lives On』(2003年)に収録され瞬く間に彼らの名は知れ渡った。そしてCarlos Ninoの静かな決意のもと再集結/再レコーディングが開始され、Pharoah SandersやPhil Ranelin、Stanley Cowell、Michael White、Nate Morganのカバーを含む、母なる大地から混沌とした世界へ向けられたスピリチュアルジャズアルバム『Peace With Every Step』が同レーベルから2004年にリリースされた。