入社5年目、まだ30歳前だった私は、突然の異動命令で田舎の事業所から本社機構に転勤した。そこは、複数の事業所からひとりずつ集まった幹部スタッフ部門。田舎事業所の狭い世界では知ることができない、様々なことを経験した。中規模の事業所から来た課長は「大規模事業所は、体力にものを言わせて突き進めばいい。俺のやお前のように小さな事業所は、ウサギのように耳を伸ばしていないと命に係わる」と教えてくれた。 「耳を伸ばす」つまり情報収集・分析力が、体力に抗する唯一の手段だということだった。国際関係で言うと、経済力・軍事力が体力に相当する。もちろんNo.1は米国だ。米国はまた、情報収集・分析力でもNo.1と思われ…