もう一つ、農業関係者がすぐにでも対策しなければならない課題がある。貴重な有機物資源をうまく活用できないで無為に廃棄し、しかもその廃棄過程で大量のCO2を排出してしまっていることだ。 30年近い有機農業のかかわりで、とても有効な有機肥料素材が身近にたくさんあることを知った。ところが、慣行農業で使われないために大量に廃棄され、化石燃料を使って焼却処分されているものがある。鶏糞と生ゴミである。 日本人の卵好きはよく知られている。卵は物価の優等生といわれて安く供給されてきた。その背景に数万~数十万羽飼養の大規模養鶏があり、養鶏場からは日々大量の鶏糞が排出される。 この鶏糞、乾燥・発酵工程を経て軽量化さ…