大報恩寺(だいほうおんじ)は、瑞応山と号する真言宗智山派の寺院で、千本釈迦堂の名で知られている。承久3年(1221年)藤原秀衡の孫、義空上人が、猫間中納言光隆の家卒、岸高より寄進を受けたこの地に、小堂を建て一仏十弟子像を安置したのが当寺の起こりといわれている。当初、俱舎、天台、真言の三宗の霊場として、堂塔伽藍も整い、壮麗を極めたが、応仁の乱をはじめ、度々の火災のため堂宇を消失してしまった。現在唯一残る本堂(釈迦堂)は、京都市に現存する最古の仏堂遺構で、国宝に指定されている。堂内には、行快作の本尊釈迦如来坐像を安置、また霊宝殿内には快慶作の十大弟子像をはじめ、六観音菩薩像、千手観音立像、銅像釈迦…