圓徳院(えんとくいん)は北政所(高台院)の甥にあたる木下利房が、伏見城の北政所化粧御殿と前庭をこの地に移築して自らの邸としたことに始まる。利房の死後その菩提をとむらう寺となり、利房の院号「圓德院」をそのまま寺号として高台寺の塔頭となる。臨済宗。建立は1605年(慶長10年)。北政所(高台院)が晩年の19年間に自身の本拠地としたことで知られるほか、一説にはその終焉の地ともいう。 化粧御殿は焼失したが、前庭は北庭として残っている。桃山時代の典型的な枯山水の書院庭園の趣をもったもので、国の名勝に指定されている。全体に巨岩を多数配置した珍しい庭園としても知られる。