原 雅明 「ファビアーノ・ド・ナシメントは友人で、長年一緒に演奏しているのも、彼と僕のテイストはとても似ていてやりやすいからだ。二人に共通する言語のようなものがあって、なぜか分からないけど、自分たちがお互いに何をするか予測できる。それくらい通じ合っている。たくさん一緒にレコーディングしてきた。彼がブラジル音楽の扉を開いてくれたことはすごく大きいと思う」(※1) (※1)筆者が行った『ミュージック・マガジン』2022年9月号のインタビューより サム・ゲンデルにそう言わしめたナシメントは、リオデジャネイロ出身で、17歳のときに家族とともにLAに移住した。元々、音楽一家で生まれ育った彼は、幼い頃にギ…