私の名前はI(アイ)。 この車のそばで待つように言われている。でも、いつまでたっても来ないんだ。いつしかボンネットにすわるようになっちゃった。ちょうどよい高さでね。おしりがひんやりするときもる。あつあつですわれないこともある。だけどここがいいんだ。通りをずっとながめていられる。晴れの日、雨の日、ときには嵐の日もあるよ。それでもたえず、目のまえで何かがうごいているんだ。目的があって、うらやましいなと思う。ときどき、さみしくなることがある。つい、下を見ちゃうんだ。だから、ぷらぷらって足をうごかす。すこしだけ、元気がでてくるんだ。 すこしずつ、上をむいていこう。I(アイ)はここで待っている。 ※車は…