黒田日銀10年間で異次元緩和での国債購入約1,000兆円でも2%インフレ目標は全く達成できなかった。一方で、新型コロナでの財政支出約80兆円でインフレの質の問題(ディマンドプルではなくコストプッシュではあるが)はともかくインフレ2%を達成している。当たり前だ。これはイギリスの経済学者ジョン・リチャード・ヒックスが1936年頃に数学的モデルにまとめたIS-LM曲線で理解できる(ベースの理論はジョン・メイナード・ケインズの『一般理論』)。以下の通り、低金利下では、金融政策はほとんど所得は増加しない(流動性の罠)が、財政政策で大きく所得が増加する。これらが物価上昇に寄与するのだ。 平成の30年間、デ…