鞍馬寺(くらまでら)は、奈良、唐招提寺の開山鑑真和尚の高弟、鑑禎上人が、宝亀元年(770年)、鞍を負った白馬の導きで唐山に至り、毘沙門天を感得して草庵を結んだのが始まりである。 延暦15年(796年)には、藤原伊勢人が王城鎮護の道場として伽藍を造営し、爾来、衆庶の信仰を集めてきた。 現在は鞍馬弘教の総本山であり、宇宙の大霊・尊天を本尊とする信仰の浄域である。 山の精霊である天狗が住む山としても有名で、貴船へ続く参道には、豊かな大自然の中に、牛若丸(源義経)ゆかりの「息次ぎの水」や「背比べ石」、枕草子に記された「九十九折り」などの名勝古跡が散在し、多くの文学作品にも登場する。 「初寅大祭」や「竹…