ゲーテはその天井画を見て、「システィナの礼拝堂を見ないで一人の人間が何を成し得るか考えることは出来ない。」との言葉を残しています。 そんな同じ思いを、極東に住む若い青年に重ね併せて、再び富山に足を運びました。当日は、作家の対談イベントがあることも知り、生きることと描くことを同時に成されている方の姿を見たかったのです。大震災から2ケ月経ち、道路は工事中が目立ったものの、富山の町並みは奥能登までの被害は表面的には見られず、変わらない北アルプス連峰の峻厳な美しさがありました。 広島県立美術館の山下寿水氏との対談で、彼の絵は「私小説」である、とのワードが共有され、また、現代の多くの画家が使うような他の…