3.8日本映画の課題は、どやの払拭にある──と思うことがある。ホラーでもコメディでもアートハウスでも「どうだすげえだろ」感がかいま見えてしまうと、おもしろさが半減する。──というか全減する。 かいま見えるというより、ダダ漏れさせてしまう映画監督が日本には多い、気がしている。もしspecが、どや無しで描かれているのなら、あるいは、もし翔んで埼玉に「おもしろいことやってるでしょ」感がなければ幻滅することもないだろう──などと感じる。 どやの払拭とは、すなわち作り手の気配の払拭である。日本映画には、監督の威光みたいなものが、画に見えてしまう映画が多い。個人が抽出したゆえの網羅性の限界はあるが、挙げる…