「ヴァルター・ベンヤミンはカメラが発明される前までの〈芸術〉は意識が支配する〈芸術〉であったが、カメラは〈芸術〉に無意識の領域を持ちこんだとし、それを評価した。私もそう考える。」 (「決闘写真論」篠山紀信・中平卓馬 発行日1977年9月20日第一刷 朝日新聞社) デジタルカメラで撮った写真は数ヶ月で忘却の彼方なのに、フイルムで撮影した写真はそうではない、ということを前回書いたのだけど、正直言いますと、前回貼り付けた4枚目の写真は、撮影したことを全く忘却していたのでした。つまり、デジタルであれ、フィルムであれ、忘れるものは忘れる、ということなのである。 しかし、ライカM3で撮影した写真をアップし…