名門ハプスブルク家に生まれたマリー・アントワネットは,フランス王妃となり,ヴェルサイユ宮殿で華麗な日々を過ごしていた.だが,一七八九年のフランス革命勃発で運命が急変.毅然と反革命の姿勢を貫き,三十七歳の若さで断頭台の露と消えた.悪しき王妃として断罪された彼女が,後世で高い人気を得,人々の共感を集めているのはなぜか.彼女が目指した「本当の王妃」とは何だったのか.栄光と悲劇の生涯を鮮やかに描く――. オーストリア・ハプスブルク家の神聖ローマ皇帝フランツ1世(Franz I.)とマリア=テレジア(Maria Theresia)の娘として生まれ,ウィーンで王女時代を過ごしたマリー・アントワネット(Ma…