ラテン語の「negro(ネグロ)」を語源とし、negerからnegar、フランス語のnègreの影響を受けながらやがて「nigger(ニガー)」に転じた。大英帝国によるインド植民地化の過程で、イギリス人が現地人に対して用いたのが直接的な起源であるといわれている。大西洋奴隷貿易の時代にはまだ軽蔑的な意味合いは薄い言葉で、黒人に対する何気ない呼称として用いられていたが、そののち時を経るごとにしだいに侮蔑的な意味を持つようになっていった。
アメリカ合衆国では、公民権運動が活発化する1960年代までには白人および黒人の両者において自由に用いられていた単語であったが、今日では単語それ自体が強烈な社会的タブーとして扱われている。例えば多くの新聞や雑誌が、単語としてniggerを扱う場合、そのまま印刷することがなく、n*gg*r、n**ger、n――というように6字中の幾字かを欠落させるか、またはthe N-wordという表現で代替するほどである。