IBMが販売するPC用のDOS。もともとはIBMとMicrosoftがIntel 8088用(IBM PC用)のOSとして共同開発した製品であり、Microsoftが販売したMS-DOSと基本的には同じもの。
ほとんどの国では、原則としてIBM PCやIBM PS/2に付属するOSとして販売され、他メーカー製のPC互換機では単体発売されたMS-DOSを使うことが一般的だった。
日本では当初、移植された「日本語DOS」がIBM 5550やIBM PS/55に付属して販売されたが、日本アイ・ビー・エムのシェアが低かったこともありマイナーな存在であった*1。しかし日本語表示にVGAとソフトウェアで対応し単体発売もされたPC-DOS J4.0/V以後は、DOS/Vの名前で広く使われた。
中核部分はMS-DOSと共通だが、PC-DOSはGW-BASICやREXX(IBM製のスクリプト言語)を搭載していたり、ユーロ通貨記号に対応するなど独自の機能があった。*2
MicrosoftがWindowsに注力してMS-DOSが事実上終了したあともIBMが独自にバージョンアップを続け、現在における最終バージョンは"2000J"(PC-DOS 7.0/Vの2000年問題対応版)である。IBMのPC部門がLenovoに売却された後も、サポートはIBMが行っている。