BiSHの「オーケストラ」(2016年)は聴くものの心を鷲掴みする強烈な楽曲だ。BPMが高速(180!)なのに雄大で流れるような美しいメロディー。いわゆるエモい、つまり情感豊かなんだけど、「エモい」という言葉では言い尽くせない、高速ゆえにもっと切羽詰まった、悲劇的で壮大な、つまり「悲壮」感が漂っている。オーケストラに通じる感じはBiSHの「プロミスザスター」にもある。ただ「オーケストラ」は絶望感が強めで、「プロミスザスター」からは希望を強く感じる。僕は「オーケストラ」を聴いてしまってから、いろんな曲に「オーケストラ」的なものを感じ取るようになった。この感じを仮に「BiSH的高速悲壮楽曲群」と名…