はしご酒(Aくんのアトリエ) その百と百と百と四 「センソウヲ ヤメヨウ!」 僕が青春真っ只中であった頃、友人が、「レコードを買いに行きたい」と言うので、自転車をかっ飛ばして行ったわけよ、隣の駅にある商業施設内のレコード店に、と、50年ほど前まで遡(サカノボ)りながら語り始めた、Aくん。当時、シングル盤ではなく、LP盤を購入する、という行為そのものが、ちょっとしたセンセーショナルでエモーショナルなイベントだったんだ、と、懐かしそうに振り返る。 「で、そのお友だちは、いったい、ナニを、購入されたのですか」 「悩みに悩んだあげく、あるLP盤を買ったのだけれど、やっぱり、もう一方のLP盤のことが、ど…