暴力は国際関係においてしだいに疑わしくて確実とはいえない道具になってきたが、国内問題では、とくに革命においては、評判と魅力を獲得するにいたっている。新左翼の強烈なマルクス主義的レトリックは、毛沢東が宣言した「権力は銃身から生じる」というまったく非マルクス主義的な確信の着実な成長とぴったり符合する。たしかにマルクスは歴史における暴力の役割に気がついていたが、しかしこの役割はかれにとっては第二義的なものであった。古い社会の終焉をもたらすのは暴力ではなくて、その社会に内在するもろもろの矛盾なのだ(ハンナ・アーレント, 2000, 『暴力についてーー共和国の危機』p. 105.)。 暴力を否定する人で…