舞台後方にすだれ状の長いカーテン。上手にキーボード、下手にアコースティックギター。センター前方に背の高い1脚の椅子。開場BGMは最後の曲になり音量が大きくなる。曲が終わり荒幡さんと山口さんが向かい合って座る。そして、ReoNaの登場である。今回のツアーはアコースティックライブだ。ゆったりと座って、あとは上質な音に包まれるだけ。荒幡さんが鍵盤を1音1音丁寧に弾き始める。しかし、すぐにその様相は変化し、私ののんびりとした心づもりは裏切られる。荒幡さんが暴れ出す。中腰になり頭を振って鍵盤を叩き始めた。アコースティックであってもReoNaのライブは切実なのである。絶望を歌った曲、絶望に寄り添った曲、絶…