小島信夫の事故物件のような小説に付き合うのがしんどくなってきたので、今週は佐伯一麦の『ショート・サーキット 佐伯一麦初期短編集』に手を付けている。 佐伯一麦は、「端午」と「ショート・サーキット」という作品で二度芥川賞の候補になっているが、受賞はしていない。 今から見れば、佐伯一麦に与えておくのが正当だっただろうと思うが、「端午」の前に「木を接ぐ」という作品で海燕新人文学賞を受賞しているし、「ショート・サーキット」は野間文芸新人賞を取っている。必ずしも芥川賞が正しい(?)わけではないということだ。 別にこんな賞のことにこだわる必要はないのだが、新人作家にとっては、これから作家として食べていくため…