第4回「みんなのつぶやき文学賞」結果発表会の「海外篇」で、ペ・スア『遠きにありて、ウルは遅れるだろう』(斎藤真理子訳、エクス・リブリス、白水社、2023)の紹介を担当しました。 原書の書誌は下記の通りです。 배수아『멀리 있다 우루는 늦을 것이다』(워크룸프레스〔workroom〕、2019)[版元] この本は全体が3つの部分からなり、各部では「ウル」という名の女性が登場し、その行動が描かれています。それらのウルが同一人物なのか、たまさか同じ名前なのかは判然としません(おまけに「ウル」という名の犬まで登場します)。 文章は、私たちが慣れ親しんでいる言葉で書かれており、一つひとつの語彙や表現に…