不幸、不運の名が付くジャズ・マンは数多いるけれど「判官贔屓」という四字熟語がピッタリ嵌るとなれば、TINA BROOKSの右に出る者はいない。何せ4枚のリーダー作の内、3枚がリアルタイムでボツ(お蔵入り)、また、重度のヘロイン中毒が元で42歳の若さで亡くなり、生存中に発表されることも無かった。 その4枚とは、「マイナー・ムーヴ」(1958.3.16)、「トゥルー・ブルー」(1960.6.25)、「バック・トゥ・ザ・トラックス」(1960.10.10)、「ザ・ウェイティング・ゲーム」(1961.3.2)で当時リリースされたのは2作目の「トゥルー・ブルー」のみ。3作目の「バック・トゥ・ザ・トラック…