今の私はストイックな人間ではないけれど、学生のころは今よりもちょっとだけストイックだったと思う。 朝5時から昼くらいまでバイトしたあとに大学で授業を受け、夜にまた別のバイトをしていた。時間と体力だけはあったから、それらをどうやってお金に変えるかを考えていた。労働力として時間を売ることしかできなかったのは、商才が無い私なりに考えた最善の方法だったからで、頭の造りか残念であることは子供のころからずっと変わってはいない。 バイト先までの電車代を節約するために片道2時間くらいの距離を毎日歩いて往復していた時期もあった。1日420円も節約できるのであれば、3時間でも4時間でも歩く価値があると考えていた。…