4.0ヘンな感覚の映画だった。 とりあえず内容を置いても、見え方(撮影方法)からして、顔のアップでずっともっていくので、世界がとらえられなかった。 (常に顔のアップなので)住居や調度や昼夜や体型や姿勢や各々の位置情報や食事の内容がわからない。くわえて単焦点(背景がボケるカメラ)なので、なおさら世界がわからない。 が、わからないのでかえって普遍性があった。普遍性とは、固有の家族を描いている──のではなく、いわゆる「家族」の有り様が描かれている気配──があった。 ところがその家族は全員がさいしょからすさまじいわだかまりをもっていた。ぎこちなく、疑心暗鬼で、帰省したルイのきもちをさぐっていた。 それ…