Web Proxy Auto-Discovery Protocolの略で、ブラウザなどのProxy設定を自動化するために開発されたプロトコルのことである。DHCP・DNS・HTTPを組み合わせて設定され、これにより、ユーザ及び管理者の負担が軽減される。
元々ブラウザの設定については、PAC(Proxy Auto Configuration)によって、ある程度設定の負担の軽減はされていたものの、PACはユーザがブラウザの設定でURLを明示的に設定しなければならないもので、このURLをユーザが設定すること、及びユーザに周知させることが、ユーザ及び管理者の負担となっていた。しかし、WPADの出現によって、このPACの設定をも自動化され、ユーザ及び管理者の負担が軽減されたのである。
WPADはIETFにてWorking Draftにはなったものの、1999年に失効し、RFCとは未だなっていない。しかし、Internet Explorer、Mozilla Firefox、Safariといった有力なブラウザがWPADを採用しており、WPADは事実上の標準機能となっている。ただ、他の有力なブラウザであるOperaはPACは採用しているものの、Operaフォーラムでのユーザの多大な要望にも関わらず、WPADを採用していない。その理由をOpera開発者側は明らかにしていないが、WPADがRFCとされていないことも一因ではないかと推測される。