baron(英)
一般には「男爵」と訳される、爵位の一つ。もしくは、封建制の領主を指す一般名詞。バロン*1。
日本における爵位の五等級、公侯伯子男だと最下位の称号となっている。では本来の西欧貴族でも同じ意味でいいのかというと、そうとも言いきれない。
西欧の称号なので、本義としては「baronyを持ってる男」である*2。
「じゃあbaronyってなんだよ」ってことになるが、それは「国または人によって違います」ということになってしまう。
普通に英和辞典を引くだけでも、
n. 男爵の位; 男爵領; 〔アイルランド〕 州, 郡; 〔スコットランド〕 大荘園
goo英和辞典より
と書かれている*3。
このあとの話を細かく説明するには「封建制とフランク王国の軍制」「自由と爵位と王権と」「土地支配の名目と実態」みたいな話が*4必要にはなる。
大雑把でいいならば、「ある程度まとまった土地を支配する人ならみんなbaron」あたりがスタート地点である。
その後、王を頂点に貴族の階層が整理されていくと(「みんなbaron」というスタート地点ゆえに)「一番ありふれた称号=一番ありがたみの低い称号」と考えられた場合が多かったので、「貴族の持つ称号の中では最下位のもの」というスタイルに落ち着くことが多かったのだ、というぐらいの話になる。