朝日の書評の柄谷行人のエッセイは面白かった。 このような説は、近年の動物行動学や人類学の研究のなかでくつがえされた。たとえば、動物の同種間の殺害が多く報告されているし、狩猟民は一般に争いを避けることが明らかになっている。狩猟と戦争は別だ。戦争は、定住と農耕以後の現象なのである。さらに、最近では、原始人は狩猟者というよりも、逆に捕食される者であり、その体験を通して協働する体制を作るようになったという説もある(ドナ・ハートとロバート・サスマン『ヒトは食べられて進化した』)。 ヒトは食べられて進化した作者:ドナ・ハート,ロバート W.サスマン化学同人Amazon 著者の基本的な視点は、動物は、たんに…