遺伝子検査を受けた。犬の話である。遺伝子の傾向を知ることで、その個体がどのような病気に罹りやすいか、などのリスクを知ることができる。そうすれば、犬の食事や生活などを、飼い主が気をつけてやることができる。同じく近年では、人間も遺伝子検査が簡単にできるようになった。人間には「個人情報」という概念があるがゆえ、犬と比較して、問題が複雑になる。遺伝的に、ある病気のリスクが高い、などということが他の人に知れると、不利益になることが起こりうるからだ。解りやすい例は保険の契約であろう。保険会社が被保険者のリスクに応じた価格を設定できるとしたら、会社としては大変儲かるはずだ。だが、それは今の社会では、差別にあ…