「中平がスペインを訪ねたのは病に倒れる数カ月前のことで、『月刊プレイボーイ』の取材で中上健次と旅をした。同行の編集者によると、本屋を見つけるたびに新刊書をあさりに飛びこんでいくので、こんなにインテリの写真家がいるのかと、中上とともに驚いたという。」 (大竹照子「眼の狩人」(ちくま文庫)より) こんなにちっちゃくて、絞りもシャッタースピードも調整できない、ピントすら固定焦点というカメラで、こんなに綺麗に撮れるんだったら、カメラの機能としてはすでにこれで十分なのか。とまでは言えないのかもしれないけど、少なくとも5000万画素のデジタルカメラで撮るべきものと、このカメラで撮れる、いや、このカメラが撮…