近年、経営学の分野で、質的比較分析(QCA)を用いた研究が徐々に増えている。しかし、それらの研究で行われている分析がそもそも何をやっているのか、そしてなぜ「質的比較分析」というのか、直感的には分かりにくい。質的研究と言っても、集合論やブール代数などかなり数学的であるし、そもそも数字を使って分析する。であるから、数量的研究といった方が良いのではないかと思うかもしれない。質的比較研究は、質的研究と数量的研究の中間のようなものだという人もいる。今回は、質的比較研究の意味を直感的にわかるよう、Oana, Schneider, & Thomann (2021)の記述を参考に説明を試みる。 まず、数量的研…