オタク第2世代って

渦状言論*1 *2と さて次の企画は*3 *4で、桜坂洋新城カズマは二人ともオタク第2世代、と指摘されたことから私の中に生じた奇妙な感情。
これって、そうですね、宇宙戦艦ヤマト(1974年〜)も機動戦士ガンダム(1979年〜)も両方ともテレビまんがでしょ? と子供の頃に大人に言われたときのあの感情に似ています。
あ、あれに似てるな、という感じ方は、私がこの日記で良くやる仕方で、共通点を抽出する作業は確かに楽しいし、枝葉末節をとりはらって大きなうねりを捉える、という点でも役に立つことは間違いありません。
でも、一旦共通点を抜き出したら、その後はやはり「差異」に注目したいもの。こういう共通点がありながら、どんな違いがあって、なぜその違いが生まれたのか――これを考えるのは、受け手の最大の愉悦の一つだと思うのです。
日記を始めて1年を記念して、ここでは、スラムオンライン(桜坂洋) *5サマー/タイム/トラベラー(新城カズマ) *6 *7を主な材料に、オタク第2世代と第3世代とか、SF世代論とか、そんなものについて考えてみたいと思います。
なお、上記作品のほか、All You Need Is Kill(桜坂洋) *8推定少女(桜庭一樹) *9究極超人あ〜る(ゆうきまさみ) *10げんしけん(木尾士目) *11妖精作戦(笹本祐一)*12イリヤの空、UFOの夏(秋山瑞人)*13などのネタバレを含みます。ご注意ください。

げんしの光、スラムの夏 (第1回)

年齢が公表されている桜坂洋と生年不詳*1新城カズマは、歳からすれば確かに同じ世代に属するのだろうし、スラムオンラインサマー/タイム/トラベラーも、リアル・フィクションという共通ラベルを使っている。
よろしい、確かに二人は同じ世代だ。でも二人の作品の匂いは、かなり違う。二人の違いは何に起因するのか。共通ラベル リアル・フィクションと、冲方丁から小川一水を経て桜坂洋へと至る流れとの関係は、一体どうなっているのか。
桜坂・新城の二人が出演する秋開催の「リアル・フィクションとは何か?」(京都SFフェスティバル 2005/10/08)に先駆け、ここではそんな話題について考えてみたい。

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