常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

circadian rhythm

今日研究室で将来教師を志す学生に向けたメッセージとして教師の生活は規則的でなければならないという話が出ました。
二日連続で学校に来て頂いたY先生もこの点に強く賛同されていて,規則正しい生活をしていないと山ほどある学校の校務はこなすことができないとおっしゃっていました。効率よく仕事をこなすためにも,朝方の生活リズムを学生の今から作っていかなければならないと実感しました。
そこで先生から教えて頂いた単語がcircadian rhythmでした。これは医療用語で「動植物の運動や生理現象にみられる、約24時間を周期とする内因性のリズム。概日(がいじつ)リズム。」という意味があるようです(『大辞泉小学館)。先生は規則正しい概日リズムを形成できるかできないかが,教師として成功するかしないかの分水嶺になる可能性があるとおっしゃっていました。
新任教師と一般企業の入社一年目の社員との間で大きく異なる点が一つあります。それは,教師は「最初からプロ」としてベテラン教師と同等に扱われる点だということを昔,耳にしたことがあります。生徒からしてみれば目の前に立つ教師はだれであろうと「先生」ですし,「新任教師」だからといって全くできなくても許されるということは殆どありません。残された時間を最大限活用していきたいと思いました。
補足させていただきますと,この単語に関する関連語句は以前の記事で取り上げられています(http://d.hatena.ne.jp/A30/20100826/1282807539)。(ゼミ生 camel)

The world is one’s oyster#2


「世界の工場」から「世界の市場」となりつつある中国に関して,今日届いたばかりのNewsweek(10/18/10)の中にあった記事の見出しです。偶然にも,先日Temple gateさんが採り上げてくれたThe world is one’s oysterというShakespeare由来の表現が使われていました。いうまでもなく,見出しのtheirはChinese peopleのことです。
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20101011/1286801026
ちなみにロンドン市内で利用が可能なICカード(日本でいうSuicaにあたるもの)もOyster Cardといい,やはりこれも「利益の種,好きなもの」(『リーダーズ英和辞典』第2版,研究社)という意味に由来するものです。(院生 小山本)
      
cf. http://www.tfl.gov.uk/tickets/14836.aspx

クローズアップ現代「日本よ 大志を抱け〜ノーベル賞・2人に聞く〜」

今日の「クローズアップ現代」(19:30〜19:58)は一見の価値有りかもしれません。(院生 小山本)
クローズアップ現代「日本よ 大志を抱け〜ノーベル賞・2人に聞く〜」
日本で17,18人目となるノーベル賞を受賞した鈴木章さんと根岸英一さん。生出演する2人の若者へのメッセージを通して、科学技術立国を目指す日本の未来を見つめる。
cf. http://cgi4.nhk.or.jp/gendai/yotei/index.cgi

Tall oaks grow from little acorns.

番組の中で紹介されていた,2人の恩師Herbert C. Brown教授(1912−2004)の座右の銘です。
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20101013/1286964196
Tall oaks grow from little acorns.
意味は「オークの大樹も小さなドングリから;大きな業績も出発点はささやかなことから」(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。同辞書にはBig oaks from little acorns grow.の形が掲載されていました。(院生 小山本)

amputee

今日の夕刊(「朝日新聞」10/13/10 東京版)で目を引いた記事。Amputee Soccerとは事故などで足を切断した人々(amputee)のサッカーのこと。外科的な切断手術をうけるのはamputateで,そこから来た人物名詞形。サッカー小僧のPくん,知っていた?(UG)
          

lay goose egg

サッカー記事をもうひとつ。Pくんが取り上げるはずなのに...。IHT/Asashi(10/13/10)のスポーツ欄から。このheadlineはどういう意味なのでしょうか。Pくん,どうぞ。
         
なお,サッカーというのは格闘技だということを思いしらされた写真。今日のスポーツ紙(「サンケイ」10/13/10)の中では秀逸でした。痛っー!(UG)
         

liaison

本日のDY(2010/10/13付)より,尖閣諸島問題に関する記事からです。
The maritime contact mechanism is designed to prevent unpredictable events from happening when an MSDF ship and a Chinese Navy vessel encounter each other at sea by establishing a multilevel liaison channel, ranging from crews on the spot to high-level officials.
今回注目するのはliaisonです。これは,「[部隊間の/…との]連絡(係);(一般に)[組織間の/…との]連絡,接触[between/with];つなぎ役,橋渡し役」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)という意味です。またLDOCEにも,the regular exchange of information between groups of people, especially at work, so that each group knows what the other is doingとあるように,会社や部隊など集団の中で連絡する際に用いられるのが分かります。そして,liaisonには,フランス語や英語など,発音の際に起きる現象である「〔音声〕リエゾン,連結発音」(『ジーニアス英和辞典』第4版,大修館書店)という語義もあります。一緒に押さえておきましょう。
大学の講義でフランス語を学んでいたこともあり、今回この表現を学ぶことでより言語のつながりを認識することができました。(ゼミ生Cherry-well)

line

今年の4月にアイスランドで火山噴火があったことを覚えていますか。近隣住民は避難を余儀なくされたり,ヨーロッパ各国では火山灰により空港を閉鎖したりと,多くの人に影響を与えた自然災害でした。それを利用して,11月中旬ごろにこの噴火で溶けた氷河の水を使用した香水が発売されるようです。以下の英文はJIJI PRESSから。
A new line of perfume is about to explode onto the Icelandic market, made of melt water from a glacier sitting on top of the Eyjafjoell volcano that erupted in April, spreading ash and flight chaos across Europe.
http://jen.jiji.com/jc/eng_afp?k=20101013025805a
lineというと「線」や「列」という意味がすぐに思い浮かぶかと思いますが,今回は違います。これには「〔商〕商品[製品]の型[種類];(ある種の)在庫商品」という意味があります(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。例文としてa new line of [in] sports shirts 「スポーツシャツの新製品」などが挙げられます。日本語でも「新製品のラインナップ」などと言ったりするのを思い出しました。
香水の瓶に溶岩のかけらを貼り付けて売り出すそうです。どのようなものか少し興味があるので,日本での販売も待ち望んでいます。次回はyori-moneyさんです。(ゼミ生 b.m.)

lay goose egg(解説)

ご指名質問にお答えいたします。
http://d.hatena.ne.jp/A30/20101013/1286968787
まず,goose eggには「ガチョウの卵」だけでなく,「(ゲームスコアの)零点;ポカ,失敗」という意味があります(『オーレックス英和辞典』旺文社)。よってここから,Zac attack lay goose eggは「不発に終わる」と訳せ,無得点であったことを意味します。
さらに,gooseには「ばか,間抜け」という意味も含まれています(『オーレックス英和辞典』同上)。なので,今回の問題の見出しにはザックJAPANの攻撃陣に対する嘲笑のニュアンスも感じられるのではないでしょうか。
ちなみに,gooseを用いたことわざでkill the goose lays the golden egg(s)「目先の利益に目がくらんで,将来の利益を逃す」があるので一緒に押さえておきましょう(『オーレックス英和辞典』同上)。(ゼミ生persimmon柿生)

imprimatur

本日発行されたDY(10/13/10付け)のTHE WASHINGTON POST OUTLOOKにあったYou’ve won the Nobel Peace Prize. I’m so sorry.という見出しの記事から英語表現を紹介したいと思います。記事は劉暁波(リウ・シアオポー)氏がノーベル平和賞を受賞したことは,新たな民主化運動の第一歩と捉えることができますが,逆に中国政府のプレッシャーは強めてしまう可能性も否定できないと伝えています。
While local activists often feel gratified by the Nobel committee’s attention and imprimatur, and sometimes subsequently ramp up their protests, that reaction is ill-advised. In the past, pressured and powerful states have clamped down even harder on domestic dissent in the wake of the Novel Peace Prize, rather than knuckle under to the Nobel committee.
今回注目する表現はimprimaturです。辞書を調べてみると「正式な承認,お墨付き」という意味がありました(『スーパーアンカー英和辞典』第4版,学研教育出版)。同辞書によると,この単語には別に「《カトリック》(協会による)出版[印刷]許可」という意味もあります。昔ローマ教会はカトリックのモラルや信仰の低下するような書物が出回らないように,出版に規制をかけていたそうです。
自分たちに不利になるような情報を制限し,一般市民の表現の自由を制限している点では中国ととても似ているような気がします。記者はこの類似点を意識してこのword choiceをしたのかもしれません。(ゼミ生 camel)