常時英心:言葉の森から 1.0

約10年間,はてなダイアリーで英語表現の落穂拾いを行ってきました。現在はAmeba Blogに2.0を開設し,継続中です。こちらはしばらくアーカイブとして維持します。

demure

イギリス王室のウィリアム王子が恋人のケイト・ミドルトンさんと一緒に友人の結婚式に参列したという記事がありました。以下はPeople.comからの引用です。
"They were both so relaxed, and she looked incredibly demure by his side," adds another observer, royals author Judy Wade. "She was very much his fair lady in her big picture hat. You get the impression it's the sort of wedding they would wish they could have – in Gloucestershire with friends, rather than a big formal wedding in central London."
http://www.people.com/people/article/0,,20436592,00.html
ここで取り上げる単語はdemureです。demureは「〈特に若い女性(の服装・態度)・子供などが〉内気で慎み深い,控え目な,おとなしい(modest)」という意味です(『ジーニアス英和辞典』第3版,大修館書店)。記事とともに載っている写真で,彼女は鮮やかな青のドレスに黒のジャケットを着用しています。あまり派手な服装ではなく,清楚な感じが多くの人に好印象を与えたのかもしれませんね。
ちなみに,demureをLDOCEで引いてみると1. quite, serious, well-behaved – especially about women in the past. 2. demure clothes do not show much of a woman’s body.とあり,modestはold-fashion modest clothing covers the in a way that does not attract sexual interestと定義付けされています。このように英英辞典を眺めるのも,参考になります。
この友人の結婚を機に,2人も結婚するのでは?と大勢の人が考えているようです。(ゼミ生 b.m.)

preppy

Japan Times Online(2010/10/14付け)のファッション記事を読んでいると,ラルフローレンについて書かれていました。このたび原宿キャットストリートに初めての本場アメリカ以外の支店がオープンしたのです。この記事でラルフローレンラグビーのスタイルはpreppyと書かれていたのですが,どのようなスタイルなのでしょう。
『オーレックス英和辞典』(旺文社)によると,preppyは「《主に米口》preparatory schoolの在校[卒業]生(らしい),プレッピー(の)」とありました。ではpreparatory schoolとは何でしょうか。『ジーニアス英和辞典』(第3版,大修館書店)によると「《英》(パブリックスクール進学準備の)エリート私立小学校;《米》(大学進学準備の特に寮制の)エリート私立高等学校」とありました。つまり裕福な家庭の若者が通う学校であることから,ラルフローレンラグビーのスタイルがアッパークラスの学生がするような格好であることがわかります。下の写真が実際のラルフローレンラグビーの店内の様子です。

http://search.japantimes.co.jp/cgi-bin/fs20101014a1.html
ラルフローレンラグビーのpreppyスタイルはスポーティーさがプラスされているが,ラルフローレンらしい洗練されたスタイルであるため,若者以外にも人気なブランドだそうです。次はLbow君お願いします。(ゼミ生yori-money)

ティーチャーズカレッジ10/23(gacha編)

10月23日(土),2週間に1度開催される神奈川ティーチャーズカレッジに参加してきました。全13回の研修講座の内,今日はその5回目です。
今回の講義は「学校と地域の協働による活動」をテーマに行われ,外部講師の方々をお呼びし,学校とどのような交流をされているのか,実践報告聞かせて頂きました。ある市の商店街の方々は,「市花 ひまわり」を通して子どもたちと交流されています。実際に小学校の子どもたちと共に,ひまわりの栽培,収穫を行い,そこからひまわりを材料にバイオ燃料等を作る活動をされているそうです。学校側からの一方的なアプローチではなく,商店街(地域)の方々からの学校に対する積極的な姿勢を感じ取ることが出来ました。
また,今回のテーマ「学校と地域の協働による活動」は,神奈川県教育委員会の基本理念とも深く関係しています(主催が神奈川県なので当然ですが)。同県では,基本理念の1つとして「個性・共生・共育(ともいく)」を掲げ,「ふれあい教育」の一環として家庭・地域・学校で,自然や人とのふれあいによる体験的な活動を重視されており,上記の様な地域との交流で子どもたちの人間的な成長を促すことが目的の一つです。
“学校”と“地域”との交流と聞くと,両者が別々のもののとして関り合うイメージがありましたが,講座を受ける中で,学校も地域の一部であり,2つは常に関り合っているものという事を改めて感じました。以下,神奈川県総合教育センターの職員の方が提示された言葉です。
「子どもは家庭で育ち」,「子どもは学校で学び」,「子どもは地域で伸びる」
「学校が地域をつくり」,「地域が学校をつくる」,そこで「学校と地域の協働による活動が」生まれる。
(ゼミ生 gacha)

-nik

先日も採り上げたロシアに関するBreaking the LawというNewsweek(10/25/10)の記事から英語表現を拾います。
The latest in this litany of no-goodniks who enjoy official protection are 60 officials and policemen associated with the false imprisonment and death in prison of Hermitage Fund tax lawyer Sergei Magnitsky in 2009.
http://www.newsweek.com/2010/10/15/russian-criminals-and-magnitsky.html
今回採り上げるのはgoodniksという表現。辞書で調べてみると,-nikで「…な人」,「…に関心の強い人」という意味があります(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。これはイディッシュ語からロシア語へと入ってきたもので,「…を行う」「…と関連のある」の意の接尾辞がその由来。そういえば,1957年に打ち上げられたロシアの人工衛星はsputnikでしたね。sputnikは英語でfellow travelerとのことです(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。
また,procedural knowledgeの観点から言えば,この-nikは「からかったり批判するときに用い」られれます(『プログレッシブ英和中辞典』同上)。(院生 小山本)

oxymoron

Newsweek(10/25/10)のHigh-Tech Hogwashという記事から英語表現を拾っていきます。
“Since 1920, the vast increase in welfare beneficiaries and the extension of the franchise to women—two constituencies that are notoriously tough for libertarians—have rendered the notion of ‘capitalist democracy’ into an oxymoron,” he writes.
http://www.newsweek.com/2010/10/18/what-s-wrong-with-silicon-valley-libertarianism.html
oxymoronとは「撞着(どうちゃく)語法」という意味で,これは「意味の対立する語句を並べて新しい意味や効果をねらう修辞法」で,例としてan open secret(公然の秘密),a young-old man(若年寄)のようなものが挙げられます(『プログレッシブ英和中辞典』小学館)。
また,その語源について『リーダーズ英和辞典』(第2版,研究社)で調べてみると,ギリシア語でoxy-は「鋭い」「とがった」「急速な」というsharpの意味,mōrosはdull(鈍い)を指し,つまりpointedly foolishという意味になります。(院生 小山本)

boneheaded

National Public Radio(NPR)に面白い記事がありましたので紹介したいと思います。
記事は一部の日本企業が社内の公用語を英語にし始めているのを伝えています。社内公用語が英語になるのに対してHONDAの社長は
“It’s boneheaded.”
http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2010/10/21/130733615/japanese-companies-go-english-only-headaches-outrage-follow
とコメントしています。直訳すると「骨頭」ですがこれではよくわかりません。辞書を引いてみると「⦅俗語⦆愚かな頑固者, まぬけ, のろま;失策」と出ていました。(『プログレッシブ英和辞典』小学館)また田邉先生に教えていただいたことなのですがa boneheaded playで「〘野球〙ボーンヘッド」という意味があるようです。ボーンヘッドには「野球などで,判断を誤ったまずいプレー。▼まぬけ,へまの意」があります(『明鏡国語辞典』大修館書店)。しかし,元野球部部員であったgacha君はボーンヘッドを知らなかったのであまり幅広く使われる野球用語ではないと思われます。
この記事にはなぜか昔日本で作成されたとみられる古い英語番組がビデオクリップとして記事に添付されています。(http://www.npr.org/blogs/thetwo-way/2010/10/21/130733615/japanese-companies-go-english-only-headaches-outrage-follow
「私はひどい下痢です」と言いながらダンスをしている日本人女性の姿を見たらネイティブはお腹をおさえながら笑うでしょう。実際この記事のコメント欄にもそのようなコメントがありました。この記事にこのようなビデオが張り付けてあると英語授業の教室内,もしくは会社内でこのような会話が日常的に話されているという誤解を読者に与える可能性があるのではないでしょうか。ビデオの内容は二の次であって,記者には社内公用語英語化の背景や影響についてもっと焦点をあててほしかったなと思います。(ゼミ生 camel)

parry away

本日(10/24/10)付けのDYのスポーツ欄において,Jリーグ第27節FC東京アルビレックス新潟の試合が取り上げられています。結果は1対1のドローだったのですが,終了間際にPKを阻止したFC東京のGK権田に注目が集まっています。以下はDYからの引用文です。
Marcio Richardes stepped up to the spot, taking aim for the bottom left corner, but Gonda parried away the shot as Tokyo heaved a huge sigh of relief.
今回の注目表現はparry away。辞書にはparryで「[打撃などを]かわす」などの意味があることが分かりました。さらにこれはフェンシングにおいて「受け流し,かわし」という意味となるようです(『オーレックス英和辞典』旺文社)。今回は「横っ跳びで弾く」などのように解釈出来ます。
サッカーの記事にフェンシングの表現が使われているのは面白いですね。(ゼミ生persimmon柿生)

Ecuadorean super-snorer wins siesta contest in Spain

スペインの首都マドリードで14日から開かれたシエスタ選手権で,23日ついに「初代昼寝王」が決定しました。make one’s way throughはよく動詞の部分を変えてwork one's way through(苦学する)のように使われますが,まさかsnooze one’s way throughとは…(院生 小山本)
Ecuadorean super-snorer wins siesta contest in Spain
Contestants snooze their way through the siesta competition
A jobless security worker has won a competition billed as Spain's inaugural siesta championship, napping for 17 minutes in a busy shopping centre.
Ecuadorean Pedro Soria Lopez took first place and 1,000 euros (£890) for his efforts - or lack of them.
Judges praised the 62-year-old not only for the duration of his 40 winks, but also for his volume, notching up snores of 70 decibels - around talking level.
The contest was run by Spain's National Association of Friends of the Siesta.
It was part of a campaign to revive the Spanish power-napping tradition, which is seen as threatened by the fast pace of modern life.
Over the course of nine days, 360 competitors were challenged to sleep for as much of a 20-minute period allotted to them as possible.
Participants stretched out on sofas in the Madrid shopping centre while their pulses were monitored to check they were asleep.
Judges awarded points for the speed with which participants fell asleep, the volume of their snoring, the most original sleeping position and the best-dressed sleeper.
http://www.bbc.co.uk/news/world-europe-11614399

duck

The Mainichi Daily News(2010年10月22日付)にあったPolice: Denim thief left wallet in dressing roomという見出しの記事(一部引用)から表現を拾います。
http://mdn.mainichi.jp/mdnnews/odd/news/20101022p2g00m0dm078000c.html
Officers in Gallatin say 20-year-old Dustin Matthew Marshall tried on the jeans and left without paying for them, but employees found his old jeans and wallet in a dressing room.
WTVF-TV reports police caught up with Marshall and a 19-year-old woman who was with him on Saturday night after a couple ducked out of a steakhouse without paying their bill.
この記事はテネシー州ウォルマートストアで代金を払わずにジーンズを着たまま店外に逃げた男が逮捕されたというもので,注目表現はduckです。
cf. http://d.hatena.ne.jp/A30/20100604/1275644028
『新英和中辞典』(第5版,研究社)を調べると「《口語》(ひょいとかがんで)逃げる,身をかわす」とあり,今回は「代金を支払わずこっそりと店を立ち去った」と訳すとよいかと思います。
また,duckには「(責任などを)回避する;〔…することを〕避ける,逃れる〔out of〕例 He tried to duck out of doing the chores. (彼はその雑用をするのを避けようとした。)」という意味もあり,今回のことはduck out of payingともいえますね。
数々の代金未払い事件を持つ男も,結局は試着室に財布を忘れて逮捕されるというまぬけな結末を迎えてしまいました。
次回はカメ女さんです。 (ゼミ生 pear