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You have eaden fruit. Say whuit. You have snakked mid a fish. Telle whish.

-- J. Joyce, Finnegans Wake, Book IV

鰤端末 書庫閲覧についてWikimedia関係日誌 これは誰?

2009-01-03

[] 配偶者がうつ病になったときにするべき、たった一つのこと

配偶者がうつ病になったときにあなたがする、たった一つのこと、それは病院へ行くこと。病院へいって担当医とあうこと。

配偶者の主治医を訊いておいて、その医師を指定して面会予約を取る。もし不明でも、受付で「○○の配偶者です。○○の治療計画について担当の先生にお話を伺いたい」といえば、向こうでよしなにするだろう。

患者の家族と主治医の面談は治療行為の一環であり、健康保険の対象になる。なので初診料も込みで1500円前後を用意しておけばよい。患者本人の勘定に付き、再診扱いとなる。コメント欄には初診なら2000円から3000円ではないかという指摘あり――id:aoahcwさんの場合はいかがでしたか?)。時間は面会に30分、診療前待ち時間に15分くらいを最低はみておきたい。余裕があれば、少しはやめにいって、配偶者の通っている病院の雰囲気をみておきたいが、無理にする必要はない。面談が終わったあとや次回以降でも十分構わないとは思う。

過去に書いたエントリから再録する。

わたしは夫の死に関してひとついまでも激しく悔やんでいることがある。夫の生前に主治医と面談しておかなかったことである。夫はわたしには打ち明けていた希死念慮を主治医には明かさなかった。もう死にたいとはいわないと誓った9月の約束をある意味愚直にも守って誰にもいわなかったのだ。そうして彼はふたたび死にたいと口にせぬまま死の顎にみずからを渡すことを選んだ。主治医が夫の希死念慮について私の口から聞いたときの蒼白な表情はいまも忘れられない。医者にはいえて家族にいえないことがあるように、家族にはいえて医者にいえないこともあるのだと、わたしはそのとき初めて知った。これを読んでる方が、精神科に通院しているご家族をお持ちなら、わたしの轍を踏まれないことを祈る。

「死にたい」 - 鰤端末鉄野菜 Brittys Wake

うつ病の場合、家族に病名を告げない場合も多いと聞いた。社会的活動能力が低下し、それにつれて社会的評価も下がることが多く、そのことを嫌がって家族にも打ち上げないのだという。すでに配偶者がうつ病であることを知っているということは、配偶者がそれだけあなたに心を開いているということだ。現状がどんなにやり場のないものだとしても、その信頼を小さな希望にして、とはいえまずあなた自身を支えてほしい。二人で倒れたら、どうにもならない。わたしも夫がうつ病だったから、患者の家族がおかれるストレスというのは、理解できる。

配偶者の闘病生活が長ければ長い分、あなた自身も相応に疲れていて、しかもいま手元にある情報は、限られているのだということは覚えておいてほしい。主治医に会って、治療にあたっているもうひとりの当事者の意見を聴いて――何か行動を起こすにしても、そのあとでも遅くないだろう。

ネットに溢れている親切めいた(いや実際親切なんだろう)さまざまな助言や忠告は放っておいてよい、私は断言するが、そんなものは何の役にも立たない。彼らはあなたを知らないし、あなたの配偶者も知らない。ちなみに医師が診察せずに病名を診断し治療法を指図すればそれは医師法違反である。ネットに溢れている忠告なんて、その違法のアドバイス以下のものだということは心に留めておいてよい。世の中には出来ることと出来ないことがある。患者の治療ということは、ネットで出来ないことに属すだろうと私は個人的に思っている。

だから、あなたの配偶者がうつ病であったなら、あなたが病院へ行きなさい。主治医と話をしなさい。治療方針に疑問があるなら、なおさらそうしなさい。

そうして、主治医と話をするのは配偶者であるあなたにしか出来ないことでもある。第三者として、当事者二人と対等に、同じ情報を見たうえで話が出来る、患者の配偶者というのはそれが可能なほとんど唯一の人間だ*1。まだ何か患者にしてやりたいという気持ちがあなたの心に残っているのなら――まず病院へいきなさい。あなた自身が。

Inspired by:

追記:

1月5日の夕方までにいただいたコメント・トラックバック等に対してお返事を書いた。わたしが重要だと思ったご指摘のピックアップや正誤訂正などもしているので併せてお読みいただければ幸いです。

余裕のある方は本エントリへの他のトラックバックへも眼を通されるとよりよいかと思う。

*1:まだ患者が結婚していなければ両親等がそれに当たる。

otiakotiak 2009/01/03 12:50 ツレがほしいなぁと思いつつ、今の自分ってなかなかお勧めしにくいなぁと、「健康な〜」を読んでちょっと思ってみたり。

私は未婚なのですが両親はこういう方面ではさっぱりあてにならないのです。残念ながら。何人かの奇特な友人の好意の糸で沈まないように吊られているような具合です。
それを幸せだなぁと思えるようにはなってきました。

BrittyBritty 2009/01/03 18:32 otiakさん、あけましておめでとうございます。
結婚というのは出雲の神様と如来様が相談して、ってそれはややこの話か。TBをいただいている「きょうの団地妻 -  結婚記念日」 http://d.hatena.ne.jp/aoahcw/20090103/p1 がちょうど otiak さんの関心に近い話題を扱っておられるかな、と思いました。

otiakotiak 2009/01/04 00:25 喪中なので以下略ですが本年もどうぞよろしくお願いします。
TBのエントリはある程度参考になりました。
自分自身の程度の想像と、しばらくしてみたときの結果を比べると、予想より下にいってることが多くてちょっとまいり気味ではあります。
産業医にはセカンドオピニオンをもらってこいと他の医者を紹介されてしまったのでとりあえずは受診してみる次第で。

誰かによっかかるというか依存するのってどうなんでしょうね。なかなか悩ましいです。

hamlet-rhamlet-r 2009/01/04 01:41 色々と大変ですね。

うつ病かどうか分かりませんが、肉親が1人、気が狂ったことがあります。自殺未遂も3回ぐらいやりました。医者に連れて行くことも出来なかったので、近くの心療内科の先生のところに相談に行きました。色々相談したり、質問したのですが、結局「正直な話、何が原因で、何がきっかけで直るかどうかも分からないですね。」と言われました。正直だなと思うと同時に、その方面での解決は結局、諦めました。色々有りましたが、結局、紆余曲折は有りましたが、何とか自力で解決して、今は平常どおりの生活を送っています。

ところで鬱病って何でしょうか。そこはしっかり考えた方が良いと思います。ちなみに心身症については、症状のカテゴライズ(病名をつけて処置をパターン化すること)に対する弊害もあります。専門家の間でも意見は割れています。鬱病とカテゴライズすることが、かえって鬱病を促進してしまう事もあるのです。(いわいる暗示の類です。)
ウィルス性疾患のようないわいる原因のはっきりした病気とは違い、人の心の様相はそんな明確にカテゴライズできる物でもないと思います。結局は医者が直すものではなく、当事者間の覚悟と諦観が事態の解決には必要ではないかと思います。

随分と、残酷なコメントになったかもしれません。ただ盲目的に、医療に頼る事が却って事態をこじらせる事も、知っておいた方が良いと思い投稿しました。ご了承願います。これだけでは何なので、最後に
肉親が気が狂った際に、理論武装した元ネタを以下にあげておきます。

http://www.amazon.co.jp/%E3%83%97%E3%83%AD%E3%82%AB%E3%82%A6%E3%83%B3%E3%82%BB%E3%83%A9%E3%83%BC%E3%81%AE%E8%81%9E%E3%81%8F%E6%8A%80%E8%A1%93-%E6%9D%B1%E5%B1%B1-%E7%B4%98%E4%B9%85/dp/4422112570/ref=sr_1_1?ie=UTF8&s=books&qid=1231000777&sr=1-1

maiko8maiko8 2009/01/04 05:21 初診の場合、ご家族への面談では、保険適用されない病院がほとんどではないかと思います。

BrittyBritty 2009/01/04 08:54 みなさま、おはようございます。
>otiakさん
あうあう。失礼いたしました。お寂しいこととは存じますが静かに新年を過ごされていることをお祈りいたします。お返事、こちらに書いていいものかどうか迷いますので、また別の機会に。
>hamlet-r さん
はじめまして、貴重な体験談をありがとうございました。
>maiko8さん
はじめまして。ご指摘ありがとうございます。本文中に訂正をいれておきます。どなたか正確な知識をお持ちの方がご指摘くださるとよいのですが……

maiko8maiko8 2009/01/04 10:07 すみません…。では追記を…。
病院に入院中の患者さんなら、ご家族の方の面談は、ドクターはタダでしてくれると思います。
入院相談も、病院ならタダでするかな、と。

ただクリニックの場合だと、そこまでの時間は取れないために、「通院中の患者さんの家族」なら、「家族通院精神療法」という名目で、患者さんと同じ診察扱いになるかと思います。
初診の場合、すなわち通院していない方で、なおかつ本人ではない人の相談だとすごく難しくて、これはクリニックによるかと…。
本人ではないので厳密に保険適用されるかは個々の判断になると思います。そのため自費相談扱いになるかな、と。するとだいたい5000円くらい…でしょうか…? また保険適用の場合、初診なら、メンタルの場合、だいたい2000〜3000円はかかるかな、と思います。

ただそれとは関係なく、内容は賛成です。
前回は細かい部分への書き込みのみで申し訳ありませんでした。
これからも楽しみにしております。

BrittyBritty 2009/01/04 15:21 maiko8さん、丁寧な追記をありがとうございます。
ああ、初診って、そちらのほうでしたか。おっしゃる場合ですと、確かに難しいかもしれませんね。一方、わたしのエントリでは、患者本人が受診済み、「うつ病」と診断されていることを前提にしています。ですので「通院中の患者さんの家族」の場合ですね。
今後とも、ご教示いただければ幸いです。

otiakotiak 2009/01/05 12:59 どうぞお気になさらずに。
しがらみさん達のおかげでひどく孤独ということもなくしばらくは生きていけそうです。
そういう意味では鰤さんにもたいそうお世話になってましてありがたいかぎりです。

というか妙な事書いてすみませんです。

BrittyBritty 2009/01/05 22:29 いえいえ、また気が向いたときにはコメントくださいね^^

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