亜喜英@京都一乗寺

前回までのあらすじ

でかは亜喜英に行った。
とんこつラーメンを食った。
旨かった。
次は和え麺だー

でか「てなわけで和え麺です」

デカ子「ちなみに15日までの限定メニューですがこれを喰ったのは14日です」

でか「まあ限定メニューなんざさらさら興味はないんですが隣の若僧が食ってるのは異様にうまそうだったので頼んでみました。あと和え麺という料理は食ったことがなかったのでいい機会だと思いました」

デカ子「要はスープのないラーメンですね」

でか「ですな。うどんみたいなぶっとい麺に肉とから揚げと野菜とをどかんと盛り付けて濃い目のタレやら卵やらにんにくやらで味付けしたものでした」

デカ子「正直ここのに関しては一回食べたらもういいメニューですね」

でか「うむ、うまいことはうまいんだがラーメンと比べてつくりが非常に乱暴な料理ですな。麺は食べ応えあるけど濃い目のたれでべちゃっと味が塗りつけられてて飽きてくるし肉やからあげは確かに食べ進むための推進力になるけどこれって札幌とかの蟹をばこっといれた観光ラーメンとかと同じで麺料理としての味に貢献してるわけじゃなくて単品でもいいトッピングなんだよな」

デカ子「最近のいろんなお店のつけ麺にも同じような傾向が感じられますね」

でか「ですな。もちろん肉たっぷりでうまいのは大歓迎なのですが、基本の麺やスープのみでも十分うまいことが大事であって、具のうまさだけに頼ったメンってなんか違うと思うんだメーン。そう思わないかメーン?」

デカ子「なんだよメーンって?ディスってんのかよ?」

でか「いや、一度使ってみたかったんだよ。このメーンて」

デカ子「ちょっと強引すぎましたね。新しい言葉を覚えた小学生なみですよ。ところで本筋にもどすと、結論としてはこの和え麺は失敗メニューということですかね」

でか「ところがあながちそうとも言い切れないんだな」

デカ子「確かに失敗メニューにしては横で食ってた人やその他の人がすごくおいしそうに食べてましたね」

でか「うむ、ストリクトなうまさだけを物差しとするならば確かにあまり歓迎できないメニューなのかもしれないが、乱暴だろうとなんだろうと、とにかく一定レベルの旨さでボリュームたっぷりくわせようとする意気に感じ入ります。個人的にはわざわざラーメンを食べにでかけた先で食べたいとは思いませんが、こういうのは在ってもいいと思いますな。なによりみんな喜んでくっていたという事実が全てだよ」

デカ子「高い水準でおいしいメニューをリーズナブルな価格でボリュームいっぱい、っていえば、まさしくこの店のカラーですね。そういう意味では一過性の限定メニューならがちゃんとお客が求める亜喜英カラーを打ち出したメニューといえますね」

でか「ですな。お店が個性を発揮してそれが客に喜ばれているのだからいいと思います。もちろんからあげも味、ボリュームともに文句なし。一分の隙も無いラーメンを出す名店かといえばそうではないかもしれませんが、まぎれもなく名店と呼べるだけのお店です」

デカ子「名店たる理由は色々あってもいいですよね」

でか「ですな。話はそれるけど最近写真を撮るのが趣味なんだが夜景とかを写すときはデジカメの感度ってのをアップするんだよ。そうするとカメラが光をキャッチしやすくなって薄暗いところでも写真が撮れるようになるんだが、カメラのセンサーに余計な電気信号が発生して写真に必要のないノイズが出てしまうんだよなだから平常時はカメラの感度は低くしておくのがセオリーなんだけどラーメンにも同じことが言えると思いますな」

デカ子「舌先の感度を高くしすぎない方が幸せってことですね」

でか「うむ、普通に旨いと思えるラーメンでも舌先の感度を上げて味を分析しようとするとささいな雑味がスルーできなくてあんまりおいしいと思わなくなってしまうんだよな」

デカ子「もともとあらゆる料理のなかでも特にラーメンが好きなわけですから、たいていのラーメンは本当は美味しく食べられるはずですよね」

でか「ですな。中には本当にもうどうしようもなくて憤りすら感じるゲロマズな店もあるけど、やはりラーメンという料理はうまいよ。ホームページをやめて更新という呪縛から解き放たれた今、本当にそう思うよ。HPに書くためにわざわざ分析してたときはやっぱり頭で考えてあら捜ししててそのラーメンの旨さを素直に感じていなかったのかもしれない。でもいまは本当にラーメンを楽しんでいるよ。今では横綱テンイチも素直に旨いと思います」

デカ子「今では適当に気が向いたときに思ったことを好き勝手に書いてるだけですもんね」

でか「うむ、適当に書くというスタンスは昔もあまり違わなかったかもしれんが、まあ今の方が多分肩の力を抜いているように思える。そしてやはりラーメンは偉大なメニューだと思います」

デカ子「ですね」

でか「ところでこのドクイリは既に終わったコンテンツで、何ヶ月かに一回気が向いたらやってたんだが、かつて和歌山ラーメンのあまりにもひどすぎるブームに怒りがこみ上げて止まらなかったときのように今現在色々と表現したいことが出てきたので、気が向く頻度が高くなるかもしれません。復活とまではいきませんが、やる気と時間が見事に融合したときにまたちょくちょく現れると思います。まあ色々と敵を作る内容になるかもしれませんがそういうのが許せない人は見ない方がいいと思います」

デカ子「そういうわけであんまりニーズないと思いますが、デカ子もまた登場すると思います」

でか「まあそんなとこで、アディオス」

亜喜英@京都一乗寺

感想:うまい

でか 「どうも、でかです」

デカ子「こんにちは。デカ子です」

でか「一年くらいほったらかしてたブログですが気が向いたので更新しました」

デカ子「一年もほっといたブログをまた更新しようという感覚がすごいですね」

でか「まあこれも個性ってことで。今回は京都一乗寺の亜喜英です」

デカ子「復活したとのことなので行ってきました」

でか「早速ですがとんこつラーメンを頼みました。それからからあげ4個セットにしてもらいました。そして和え麺を追加しました」

店内「ざわ・・・ざわ・・・」

デカ子「微妙に店員がひいてますよ」

でか「むう、食いたいものを頼んだだけなのに何が行けなかったんだろう」

デカ子「普通の人はそんなに食べませんよ。ラヲタが来たと思われたんじゃないですか」

でか「ラヲタとは違うんですよ!っつーか、からあげがあんなにデカいとは・・・」

デカ子「話には聞いてましたが聞きしに勝る巨大さですね」

でか「うむ、かつて札幌で一人で焼肉屋に入って全メニュー2人前頼んでサラダが日本昔話に出てくるような絵に描いたような山盛りで憤死したときのことを思い出しました。あのときも店員がざわざわしてたような・・・」

デカ子「日本中で恥を撒き散らしていますね」

でか「うむ、そろそろ世界進出も近いかもしれません」

デカ子「ところでそんなに大量に食ってたら味なんざわからないでしょうけどどうでしたか?」

でか「うむ、とんこつラーメンは至極まっとうだと思いますな。舌先をピンポイントでつついてくるようなぴりぴりとした化調頼みの味じゃなくて舌を平面的にしみこむように攻めてくるしっかりとしたダシの味がします。骨粉こそ少ないもののちゃんと乳化していて立派なスープです。まあちょっとタレの味が濃いのが残念ですな。」

デカ子「突出した個性こそないものの意外と他にないとんこつですね」

でか「うむ、微妙な違いがあるとはいえ、近くの高安や鶴はしなどともさらりとしてるが乳化したとんこつを出していて、この点この亜喜英も共通した特徴を持っていると思います。九州系のとがったとんこつでもなく大阪ライトのさらりとしただけでペラペラなものでもなく、なんとなく一乗寺の味だなあと感じます。こんな店が増えてきたらその内一乗寺系なんて言葉も出てくるかもしれません。

デカ子「すぐ分析したりカテゴライズしたがるあたりはやはりラヲタといわざるを得ませんね」

でか「ラヲタとは違うんですよ!続いて和え麺です」

デカ子「まだ喰うのかよ」

でか「うむ、長くなるので続きます」

時生 

不治の病を患い、余命いくばくも無い時生。

父拓実は時生がまさに旅立たんとする病院で、若き日の自身の不思議な経験を語りだす。それは元気な姿の時生という青年と出会った話だった。

現在と過去が交錯するタイムパラドックスの話。藤子F先生流に言えばSF=スコシ・フシギ。未来を知る時生が青年時代の拓実の前に現れ、ともに行動しながら1つの事件に巻き込まれていく。

物語の終盤で時生は若き日の母にささやきかける。

「頑張って生き抜いてください。必ず素晴らしい未来が待ってますから」

やたらこの言葉がひっかかるのは今自分が1つの壁に直面しているためだろう。

☆4つ

きんせい@玉造

感想:ウマイ

でか「どうも、でかです」
デカ子「こんにちわ、デカ子です」
でか「今回は玉造のきんせいです」
デカ子「いまや大阪を代表する有名店になった高槻のお店の2号店ですね」
でか「ですな。高槻の本店はうるさ型のマニアを唸らせながらもきっちりと一般客で行列ができているあたりがやはり素晴らしいと思います」
デカ子「でもお兄様、実は高槻のお店にはあんまりいったことが無いんですよね」
でか「うむ、白状するとラヲタ率が非常に高そうなのが気後れするっていうのが1つですな」
デカ子「お兄様そんなにラヲタと会うのがいやなんですか?」
でか「ううむ、イヤではないのだが、知ってる人なんかとお店で会って話したりすると、店の人からその筋の人っぽく思われて変に気を遣わせてしまうんじゃないかと、いらん気後れがするんだよな。コワクナイヨ、ボクチンイッパンジンダヨ、トモダチニナロウ!」
デカ子「あとは高槻まで行くのがめんどくさかったって所ですか?」
でか「まあそれもあるが、正直過去2回喰った感想としてはあんまり好みじゃなかったのよな。初めていったのが5年位前で、次に行ったのが一昨年かな」
デカ子「一昨年と言えばもうすっかり一流店の仲間入りしてた頃ですね」
でか「ですな。各方面で大絶賛だったので久々に行ってみて評判の良かった極みの塩とやらを喰ったのだが、まあウマいことはウマいがあんまりすごさが分からんかった」
デカ子「舌バカの面目躍如ですね」
でか「うむ、結構深刻にそうなのかもしれませんが、まあもともとそんなにマニアックにラーメンを突き詰めようとは思ってないので問題なし」
デカ子「まあそんな経験から、評判のいいお店なのにあんまり行かなかったわけですね」
でか「ですな。今回は仕事のついでにふらりとって感じで新しくできた玉造の店に行ってみたわけです」
デカ子「で、頼んだのが鶏白湯ですね」
でか「うむ、まあ鶏がらラーメンのこってりってやつです」
デカ子「これは美味しかったですね」
でか「ですな。麺は食感がよくて食べやすいしスープもちょっととろみがあって麺によく絡みます。雑味が無くて鶏がらこってりのお手本のようなスープです」
デカ子「高槻よりも行きやすいロケーションなので有難いですね」
でか「ですな。イマイチ感があったお店のイメージが払拭されました。これからは過去のトラウマにとらわれず広い心を持ってラーメン屋さんに行こうと思います」
デカ子「なら先ず和歌山にラーメンを食べに行くべきですよ」
でか「すいません、許してください」

龍旗信@なんば

堺ラーメンの龍旗信がなんばパークス奥のなんばこめじるしにお目見え。

「2軒店出してウマなったっていう話聞かんでしょ?先ずはそれ狙ってますねん」とは大将の言葉。その意気込みに違わずウマイ塩ラーメンである。


近年ラーメン屋という仕事は本当に骨の折れる職業になった。開業と同時にラヲタの注目を浴び、時には非難や抽象を受け、評判になればなったでうるさ型の玄人紛いからあれこれいらん指図を受けることもしばしばだとか。そもそもいっぱしのプロとして店を経営し、生活を成り立たせていることだけでも大変なことである。仕事そっちのけで趣味たるラーメンに夢中になる輩などは店のモロモロに口出しするものではない。
ごく個人的なこのブログでは金を払って喰った感想としてウマかったのかマズかったのかははっきりと記載したいが、同時に高い志を持ち、日夜味の研鑽に努め、その上でプロとして生業を立てているお店への敬意は忘れずにいたいものだ。そしてお店の人たちには余計な雑音に左右されず、プロとしての矜持を持って、これからもウマいラーメンを喰わせて欲しい。

宿命

宿命 (講談社文庫)

宿命 (講談社文庫)

勇作と晃彦の数奇な宿命に加え、殺人事件とその犯人探しというミステリの定番的お題とが入り混じり、1つの物語としてとても巧く纏まっていく。この辺の手練はさすがなのだが、展開がやや重たくて個人的に少し好みからは外れてしまった。
読み終えて思わずでっかい溜息1つ。

☆は4つ。

鹿鼎記

鹿鼎記 1 少年康熙帝

鹿鼎記 1 少年康熙帝

金庸はこの作品を最後に絶筆宣言をしており、事実上最後の作品となっている。

金庸作品といえば、主人公があれよあれよと強くなり、強さこそが全ての江湖の世界で名を馳せていくというパターンが多いが、この作品の主人公、韋小宝に限ってはそうではない。数々の達人達から教えを受け、強くなるチャンスはいくらでもあるのだが根っからの修行嫌いで最後まで徹底して強くならない。とにかく口八丁と立ち回りの上手さだけで出世していく物語である。武侠小説としては共感できない姑息な主人公だがどこか憎めないのは要所要所で五分の義理堅さを発揮するためだろう。この辺は金庸にして新しい試みであったようでもある。話としてはまあさすがに金庸作品で、一度読み出すとやめられない。初期の作品碧血剣のキャラが久々に登場したり、冷狐沖や欧陽蜂などのおなじみの英雄が物語上の史実における実在の人物としてチラリと表記されていたりと、ちょっとしたファンサービスにニヤリとさせられる。

☆4つ