ポータブル・アプリケーション日本語化とかのメモ

今日は Vancouver Sun Run という大きなマラソンがありました。我が家はそのコースに面しているので、窓の外には朝から大変な人出が見えます。スタート地点では選手を盛りたてるために大音響で音楽や声援が鳴り響き、普段は静かな日曜の街がにぎやかな朝を迎えました。

と書くと、何かすがすがしい感じがするのですが、今朝は体調が悪く、頭や喉が痛くて息をするのも辛いほど。静かに寝ていたかったんですが、参加者が多い (5万人以上!) ためにいくつものグループに分けて数分置き (最後の方は数十秒置き) にスタートを行うため、スタート前のセレモニーもどきから含めて2時間半以上もガンガンやられ、たたき起こされるハメになりました (ヘリとかも飛んでるし)。ま、仕事の仕上げがあるのでどうせ起きなきゃならなかったんですけどね。(まだ頭いてぇ〜)

さて今日は、先日予告していたポータブル・アプリケーションの日本語化について、自分でやった設定の覚え書きなんですが、ちょっとまとめてみたいと思います。

でもせっかくなので日本語化だけではなく、ちょっとした Tips も含めて自分のために書いておこうと思います。これは、ポータブル・アプリケーションについての有益な情報があちこちに散らばっていて、必要な内容を探すのに苦労した経験から、なるべく情報の一元化を図ろうという考えです。


ということで、ここでは次の情報を書いておきます。

  • Windows 用 PortableApps Suite のインストールと日本語化
  • その他のポータブル・アプリケーションの追加


一応上から順番に見ていかないと、説明がわからない部分も出てきますので、読み飛ばさない方がいいと思います。

  • Windows 用 PortableApps Suite のインストールと日本語化

ポータブル・アプリケーションを始める場合にもっとも手っ取り早い方法は、およそ必要とされるアプリケーションのほとんどがセットになっている PortableApps Suite というスイート製品から始めるのがいいでしょう。製品と言っても、無料で使えるものです (今回紹介するものはすべて無料のものばかりです)。

PortableApps Suite には、Standard (89.5 MB)、Lite (30.4 MB)、Base (1 MB 弱!) という3つのエディションがありますが、USB メモリの容量が許す限り Standard エディションを選択しておけばいいでしょう。ただし日本語化したりアプリケーションを追加すると、容量はかなり大きくなります。上述した容量は目安程度にしてください。

Standard と Lite の違いは、Standard には OpenOffice.org (OOo) Portable というスイート製品が入っているのに対して、Lite には OOo の代わりにワープロ・ソフトの AbiWord Portable が入っていることです。ここでは、Standard エディションを例に日本語化の手順などを説明します。

まずは、Standard エディションに含まれているソフトの一覧。

Firefox Portable (Web ブラウザ)
Thunderbird Portable (Eメール・クライアント)
Sunbird Portable (カレンダー/タスクマネージャ)
OpenOffice.org Portable (オフィス・スイート)
■ ClamWin Portable (アンチウイルス)
■ Gaim Portable (インスタント・メッセンジャー)
Sudoku Portable (数独)


なお、このすべてを日本語化できる訳ではありませんので、悪しからず。


1) PortableApps Suite のインストール
サイトから PortableApps Suite のインストールをダウンロードして、適当な場所 (USB メモリ内とか) で解凍します。それで終わり。

ここでは、USB 内のルート・ディレクトリに \PortableApp フォルダを作り、そこに各アプリケーションのフォルダを入れるようにします。例えば OpenOffice.org Portable なら、\PortableApp\OpenOfficePortable となります。


2) 各アプリケーションの日本語化

Firefox Portable と Thunderbird Portable の日本語化

先日試した時には、PortableApps Suite に入っている Firefox Portable のバージョンは1.5.xでした。現在も同じ状況であれば、まずこれを最新の2.0.0.3にしてしまいましょう。ここから Firefox Portable 2.0.0.3をダウンロードして、PortableApps Suite 内の Firefox Portable と丸ごと入れ替えます。

さて日本語化です。まず Firefox Portable を起動しておき、このページで Locale Switcher エクステンションをインストールし、Firefox Portable を再起動します。次に、ここから ja.xpi を落として、Firefox Portable のフォルダ内にでも保存します。

そして、Firefox Portable の [Tools] → [Add-ons] を選び、[Add-ons] の管理ウィンドウに ja.xpi をドラッグ&ドロップして、また Firefox Portable を再起動します。再起動後、[Tools] → [Other Langueages] → [Japanese] で日本語表示に変わります。

Thunderbird Portable も基本は同じです。Locale Switcher エクステンションはこのページからバージョン1.5.1をインストールし、再起動後に先ほど落としておいた ja.xpi を同じ方法でインストールします。この後再起動すれば、日本語になっています。ただし、最初にアカウントの設定を促されますので、設定するなりキャンセルして後回しにするなり、適当に判断してください。

あとは、Firefox にはいろんな拡張機能を入れておくと便利です。お勧めは、Gmail Manager、Gmail Space、McAfee SiteAdvisor、NoScript、PhishTank SiteChecker、などなど。これらは Firefox のサイトから入手できます。

Sunbird Portable の日本語化

このページにある一般向けの日本語パック バージョン0.3.5を Sunbird Portable のフォルダ内にダウンロードします。Sunbird Portable を起動して [Tools] → [Add-ons] メニューでアドオン管理ウィンドウを開き、左下の [Install] ボタンから、先ほどダウンロードした日本語パックを選択してインストールします。これで、再起動すれば日本語になっています。

OpenOffice.org Portable の日本語化

OOo には、ポータブル版の他に本来の姿である、PC にインストールす通常版があり、こちらは日本語版があります (現在バージョン2.1)。これを、PortableApps Suite に入っている OOo と入れ替えることで日本語化できちゃいます。ポータブル版のバージョンは2.0.4なのですが、実際に試した結果、バージョンの違いは問題にならないようです (責任は持てませんが)。

手順は、まず OOo のサイトから日本語版をダウンロードして PC にインストールし (C ドライブと仮定)、C:\Program Files\OpenOffice.org 2.1 フォルダ内のすべてのファイルを USBドライブ内の \PortableApp\OpenOfficePortable\App\openoffice ファイル内にコピー (上書き) します。これで終わり。


  • その他のポータブル・アプリケーションの追加

OpenOffice.org Portable には含まれていなくても、他にもポータブル・アプリケーションと呼ばれるものはたくさんあります。自らポータブル・アプリケーションと名乗っているものだけでも、結構な数になります。

また、ポータブル・アプリケーションという分類はされていないソフトでも、ポータブル・アプリケーションとして使えるものがあります。つまり、OS にインストールすることなく起動して使える (Windows の場合ならランタイムが不要の) アプリケーションであればいいということです。

そうしたアプリケーションで便利なものがあれば、ついでに追加してしまいましょう。以下、お勧めのソフトをいくつか紹介します。

7-ZipPortable (圧縮解凍ツール)

AbiWordPortable (マルチリンガルワープロ)

FFFTP (FTP クライアント) ← 最新版のインストーラなし版

Foxit Reader 2.0 for Windows (PDF ビューア) ← ZIP Package 版

UnplugDrive Portable (安全な外付けデバイスの取り外しツール)

PStart (ランチャー)

PortableApps Suite にもランチャーは付いているのですが、次に説明するポータブル Skype のデータを PC 内でなく USB に入れるためには、このランチャーが便利なんです。日本語化パッチもあります。日本語化は、PStart インストーラと同じフォルダにおいたパッチを実行するだけです。

ポータブル版の Skype は存在しないのですが、自分でこしらえることができます。「外に持ち出してスカイプなんてしねーよ」と思うかもしれませんが、例えば ちょっと気になるパソコンに弱い女の子へ パソコンに慣れていない家族へ USB ドライブに設定済みの自作ポータブル Skype をあげて絆を深め、株を上げる、なんてことにも使えます。ちなみに Mac OS X 版では、USB ヘッドセットがなくて試せなかった (マックの場合は普通のマイクが使えません) ので、それができるかどうかは分かりません (音を聞くことはできましたが)。作成手順は以下のとおりです (参照:「USBドライブで使うPortable Skypeの設定方法」)。

1) Skype を PC にインストール (ここでは C ドライブにインストールと仮定)

2) C:\Program Files\Skype (注:Vista では同じディレクトリかどうか分かりません) 内のすべてのファイル (本体は Phone フォルダ内にある) を USB にコピー
→ \PortableApp\PortableSkype\Program Files\Skype\Phone

3) C:\Documents and Settings\ユーザー名\Application Data\Skype 内のデータ・ファイルを USB にコピー
→ \PortableApp\PortableSkype\Program Files\Skype\data

4) これも上述した PStart に放り込んでしまいましょう。その上で、ポータブル Skype を実行したときに USB 内のデータ・ファイルをポイントするよう、次の設定をします:item タブの中に skype.exe を追加し、アイコンを右クリックして Properties を開き、General タブ内の [Command line parameters (optional)] の欄に「/datapath:"\PortableApp\PortableSkype\data" /removable」と入力します (ちなみに [Application / file path] 欄は「PortableApp\PortableSkype\Phone\Skype.exe」となっているはずです)。

余談ですが、Vista の場合、データのファイルの場所が変わっています (http://share.skype.com/sites/ja/2007/04/03/xp2vista.html)。


ポータブル・アプリケーションの代表格である FirefoxThunderbird には、WindowsMacintosh の両方で使えるクロスプラットフォーム版があります。単体のソフトなんですが、Win 用と Mac 用の起動アイコンがそれぞれ用意されていて、そのいずれからも同じソフトが起動します。両方の環境を使う必要がある場合は、同じ設定やブックマークなどを共有できるので便利です。

クロスプラットフォーム用 Firefox

クロスプラットフォーム用 Thunderbird

これらの日本語化は、OpenOffice.org Portable のところで説明した方法と同じだと思いますが、試してません。ただ、そのままでも日本語は通ると思います。それから、バージョンは1.5で開発が終わっているようです。セキュリティに関する脆弱性が修正されない可能性が高いので、利用する場合は慎重に!



以上、長くなりましたが、これでポータブル・アプリケーション・ライフを楽しんでください。