Comments by Dr Marks

出典を「Comments by Dr Marks」と表示する限り自由に引用できます

平壌高等普通学校(旧制中学)卒業生(80歳)の葬儀

彼は朝鮮戦争ヴェテランと聞いていたので南朝鮮(韓国)出身だとばかり思っていたが、北朝鮮ピョンヤン出身だった。葬儀で選ばれた(希望の)聖書の箇所がヘブライ人(ヘブル)への手紙11章22節であった理由もわかった。

信仰によって、ヨセフは臨終のとき、イスラエルの子らの脱出について語り、自分の遺骨について指示を与えました。(新共同訳)

ロスアンジェルス郊外の広くて美しい墓地の、いくつかある礼拝堂の一つで行われた葬儀だったが、漢字で「平壌高普同門会」と書かれた花輪があった。平壌高等普通学校同窓会という意味である。親族の話だと平壌の裕福な朝鮮人の家庭に生まれたが、朝鮮戦争でソウルまで命辛々逃げ出したらしい。父親と3人の弟たちは一緒だったが、母親とは離れ離れになったそうだ。

まず彼がアメリカに渡って大学を卒業し、コリアタウン開発の不動産業で成功し、父や弟たちを呼び寄せ、弟の一人を医学部に送った。残念ながら、医者の弟を含め3人の弟のうち2人は彼よりも先になくなったが、あの美しい墓地に、まず晩年をアメリカで過ごした父を弔い、息子である自分たちの墓も生前に用意していたそうだ。

なお、平壌高等普通学校というのは、日本人の子弟が入る官立平壌中学校と並ぶ朝鮮人子弟のための官立中学校であり、旧制のエリート中学校(現在の男子高等学校)の一つだった。彼がときどき変な表現にはなるが、立派な日本語を話せた理由もわかった。

えーと、葬儀の後の昼食会で食べ過ぎてしまった。普段の2.5倍食べた。ベルトがきつかった。でも後悔しない。美味しかったから。(若かったら、あと倍は食べられたのになあ。あの頃はいくら食べても太らなかったし。)