縷々のつぶやき

昭和11年創業!岩喜蓄音機店の3代目店主。現在は、LURU MUSICとして、CDショップ、音楽ホール、音楽制作、音楽イベントなどの企画運営を通じて、地域から世界を楽しくすることを日々楽しんでいます。旧:演歌商店のつぶやき。

コーラス・パレット 25周年記念コンサート

わかやま新報 
とらふすクラシック・350
 コーラス・パレット
  25周年記念コンサート

和歌山市を中心に活動を重ねるコーラス・パレットの25周年記念コンサートが、5月19日(日)午後2時から、和歌山城ホール大ホールで開催されます。

コーラス・パレットは1997年に発足、その誕生もユニークでした。当時から、そして今も、指導を続けているのは薗村祐子さん。薗村さんは、小学校、中学校、高校と教壇に立ちながら、合唱の指導を重ね、全国大会やコンクールに生徒たちを何度も送り出していました。楽しく、時には厳しい指導を経て、合唱の魅力を満喫した卒業生たちが、「どうしても、先生と歌いたい!」と集まり始まったのです。

「あなたも一緒に歌いませんか」と呼びかけ、毎週金曜日、午後7時から、2時間の練習が始まりました。もちろん立ちっぱなし、個人の課題はそれぞれクリアして臨む練習。こうして、2年間に20曲をマスター、3年目にコンサートを開くというコーラス・パレットの積み重ねの上に華が咲くような合唱が出来上がったのです。

今回のコンサートは4部構成。1部は、日本の名歌より「あの町この町」、「ゴンドラの唄」など。2部では、あいみょんの「愛の花」、Miyabiの「いのちの歌」など。3部は、賛助出演の皆さんも加わり総勢80名の大合唱で、福島南相馬で生まれた「群青」や「鴎」(作詞:三好達治、作曲:木下牧子)など。そして、4部は、「恋のバカンス」「百万本のバラ」などで、歌に生き恋に生きるフィナーレとなります。

県代表として全日本おかあさんコーラス全国大会に7回出場、ドイツ海外公演の成功など輝かしい歴史をもつコーラス・パレット。司会もコスチュームも創意工夫にあふれ、常に挑戦。コロナ禍のためやむなく延期されていた25周年記念コンサート。素晴らしいステージが期待できそうです。

このコンサートのチケットは、全席自由席1000円。問合せは、玉置さん(090-5167-4267)、有本さん(090-3033-6419)まで

澤 和樹 & 蓼沼恵美子 デュオ ~癒しと愛の二重奏~

とらふすクラシック・348
澤 和樹 & 蓼沼恵美子 デュオ
   ~癒しと愛の二重奏~
           前• 東京藝術大学長 澤 和樹

1976年の8月21日は、私の演奏家としてのプロデビューと言えるものでした。和歌山の県民文化会館でのデビューリサイタル。まだ東京藝大の4年生でしたが、恩師の海野義雄先生の強い勧めによるものでした。その海野先生から、共演者として推薦されたのが、一学年下のピアノの蓼沼恵美子。ソリスト志向の強い、当時の藝大ピアノ科では異色の室内楽や伴奏にも強い情熱をもって臨み、アンサンブルには引っ張りだこだった彼女に、デビューリサイタルの共演を依頼しましたが、その時は、見事に断られました。彼女は、かねてから挑戦したいと思っていたい日本音楽コンクールピアノ部門の準備中で、9月から始まるコンクールの直前でのリサイタル共演はとても無理というのが理由でした。しかし諦めきれない私は、彼女の担任の田村宏先生にもお願いして、ともにロンドンに留学。1983年にはミュンヘン国際コンクールの二重奏部門で第3位となり、ヴァイオリン・ピアノのデュオとしての活動は、間もなく半世紀を迎えます。

モーツァルトをはじめクラシックの名曲には「癒し」の力があると言われます。思えばバッハ、ヘンデルハイドン••• と続くクラシック音楽と呼ばれる名曲は、もともと「クラシック音楽」として作曲されたわけではなく、教会や王侯貴族の求めに応じて、あるいは庶民の楽しみのために作曲されてきた星の数ほどある無数の作品の中から、多くの人々から愛され、200年、300年という時を超えて大切にされて来た極上の価値を持ったものです。それらの名曲によって人々は身も心も癒され、励まされて来たのではないでしょうか。

そして、多くの名曲に共通するテーマは「愛」。何も男女の愛だけでなく、家族愛、さらに大きく人間愛を高らかに歌い、訴えるものです。久々の故郷、和歌山での二重奏による「癒しと愛」の名曲をお楽しみください。

プロフィール 澤 和樹
1955年和歌山市生まれ。東京藝術大学卒業、同大修士課程修了。安宅賞受賞。ロンドン留学を経て帰国、各地で演奏活動を重ね、県文化賞受賞。前•東京藝術大学長。和歌山県立図書館音楽監督

音楽界の巨匠たちの名曲をお届け♪

わかやま新報
とらふすクラシック・348
音楽界の巨匠たちの名曲をお届け♪
     ひとときコンサート 西本彩友美 

花の便りとともに、さわやかな風が吹く季節となりました。地元演奏家シリーズとしては、早いもので、第7回を迎えます。今回お届けする「ひとときコンサート~ドイツ・オーストリアの風に乗せて~」をご案内いたします。

この度は、初の弦楽四重奏というアンサンブルでお届けすることになりました。ヴァイオリン:西本彩友美、藤岡佐恵子、ヴィオラ:桑原七音、チェロ:石川博之。 同じ大学出身の同級生、先輩、後輩で組んだカルテット。 地元のみならず、関西を中心に演奏活動を積極的に行っているメンバー達です。 

今回お届けする曲は、モーツァルト作曲「ディベルティメントK.136」、一度は耳にしたことがあるメロディーが続きます。そして、ハイドン作曲「弦楽四重奏 第77番op76-3『皇帝』」、第2楽章が現在のドイツ国歌として有名な楽曲です。最後に、メンデルスゾーン作曲「弦楽四重奏 第6番op.80」、姉を亡くしたメンデルスゾーンが哀惜の念を込めて作曲した作品。 ドイツとオーストリアが生んだ音楽界の巨匠たちの名曲を奏でます。 

学生という枠を外れると、アンサンブルに取り組む機会が少なくなってしまいます。今回、このようなメンバーや、演奏の場に恵まれ、コンサートを開催できることを大変うれしく、そして誇りに思います。 奏でることの喜び、気持ちを合わせることを大切に、そして、お客様とともに音楽によって幸せを感じられるようなひとときになりますように。心が温かくなるような『風』が吹きますように。会場にて、皆様をお待ち申し上げております。

「ひとときコンサート 〜ドイツ・オーストリアの風に乗せて」は、4月21日(日)午後2時より、会場は、和歌山県立図書館2Fメディア・アート・ホール。チケットは、一般2000円、高校生以下1500円。プレイガイドで発売中です。問い合わせ: 090-5968-0669(ひとときコンサート実行委員 香川)

西本彩友美 ヴァイオリン
和歌山市出身。相愛大学音楽学部卒業後、同大学音楽専攻科修了。
第47回和歌山県新人演奏会に出演及び奨励賞受賞。関西を中心に演奏活動を行う。

山西アカリ!ふるさとありがとうライブ in きびドーム

朝日新聞和歌山版
ときめく★楽・音・生・活
望郷の思い、応援歌に変身
山西アカリ!ふるさとありがとうライブ in きびドーム

有田郡町村会観光大使、そして有田みかんアンバサダーという演歌歌手・山西アカリさんが、ふるさとありがとうライブinきびドーム(有田川町)を開催します。アカリさんは、1991年、有田川町生まれ。地元で歌っている頃から、歌謡ファンにはよく知られ、東京に出る前に聞いたパンチのある歌声と個性的な衣装は、今も記憶に残っています。

2008年の「NHKのど自慢」田辺大会で優勝し、グランドチャンピオン大会に出場。その後、氷川きよしさんを育てた作曲家・水森英夫さんに師事。3人組演歌ガールズグループ「水雲-MIZMO-」のセンターとしてデビュー。米国での公演など華々しいキャリアと水森英夫門下生としての長い間レッスンを積み、22年「拝啓 みかんの里」でソロデビューを果たしたのでした。

冬になるとみかん取りの手伝いもしていたアカリさんにふさわしい望郷演歌。セカンドシングルも「紀ノ川よ」とふるさとへの思いをこめた作品が続きます。彼女が歌うと、明るく元気のわく応援歌になります。スポーツ大好きで、東京マラソン2024は、 初のフルマラソンながら4時間少々で完走。得意のイラストを活かし、月刊誌「歌の手帖」に漫画を連載するなど、ともかく明るく楽しい彼女なのです。

この3月のNHKの「新・BS日本のうた」出演など、テレビやラジオに登場する機会も増え、坂本冬美さんや田川寿美さんに次ぐ歌い手へと、みんなで応援していきたいものです。

今回のライブは、5月18日(土)午後2時から、参加は無料ですが、整理券がいります。整理券の配布は4月4日正午から、有田川町商工観光課(0737-22-4506)、湯浅えき蔵1階観光交流センター(0737-63-4123)道あかり(広川町)(0737-22-3101)で行います。

北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き

わかやま新報 
とらふすクラシック・347
北島佳奈バッハ無伴奏ヴァイオリンの響き
           LURU HALL 支配人 田口雄基

ホールを一つの楽器のように、響きを自在に操るヴァイオリニスト・北島佳奈さんによる独奏会「北島佳奈バッハ無伴奏を弾く〈ソナタ&パルティータ全曲演奏会Ⅱ〉」が4月21日(日)午後2時から開催されます。

この公演は、全6編からなるバッハ「無伴奏ヴァイオリン」全曲演奏会の後編にあたり、昨年11月に満員御礼で開催された全曲演奏会Ⅰは、ご本人が「ここで演奏するとヴァイオリンが喜ぶ」「今日、ここでしか生まれない響きを楽しんでいってもらいたい」とおっしゃっていた通り、演奏も響きも大変充実した素晴らしいものでした。

ヴァイオリンやチェロなどの弦楽器は、表板と裏板の間に挟まれた「魂柱」と呼ばれるたった一本の木材によって弦の張力で生まれる強い圧力を支えており、この魂柱が弦の振動を楽器全体に伝え、豊かな響きを生み出しています。そして魂柱のわずかな位置の違いが楽器の音量、響き方、音色に大きな影響を与えています。

紀州天然木材の反響板がふんだんに用いられたLURUHALLにも、そんな“スイートスポット”があります。前回のリハーサルの際、ステージのオススメのポイントにご案内したところ、北島さんは、立ち位置の数センチの違いや、楽器を構える姿勢の違いでどのように響きが変化するのかを把握され、その特性を演奏にどう取り入れるか楽しそうに工夫を重ねていました。

そして本番、弱音部で繊細なタッチを強調したいシーンでは一歩進み出て弦の鮮明さを高め、たっぷりとした響きで豊かさを出したい局面では、ホールのスイートスポットから天井に向かって音を飛ばすといったように、ホールの響きを楽曲表現に一体化させ、お客様を含めた一期一会の時空を創り上げてみえたのがとても印象的でした。

4月21日の後編では会場席はもちろん、そんな響きを特等席で聴けるハイレゾ・バイノーラル配信もございます。北島佳奈さんが奏でるバッハ無伴奏ヴァイオリンの珠玉の響きをぜひ、その耳でお確かめください。

プロフィール
1986年、岐阜県生まれ。MUSIC ENGINEER、空間録音家。
2012年より、音楽の新しいカタチ、バイノーラル録音で時空を超え、
繋がる歓びを追求するANIMA ―魂を繋ぐ音― 主宰。

森田純子 Heartful Flute Recital 「あの頃」Those Days

わかやま新報
とらふすクラシック・346
森田純子 Heartful Flute Recital
    「あの頃」Those Days

和歌山市の商業地域・ぶらくり丁に隣接するようにあった和歌山市立本町小学校。運動会などのイベントは地域を巻き込んで大きなイベントとなり、楽しい盛り上がりを見せていました。本町小学校を卒業すると、お城の前の伏虎中学校に進むのが大半でした。かくゆう私も両校の卒業生です。

2017年4月から、県下初の小中一貫校の「和歌山市立伏虎小中学校」が創立され、その創立に伴って、同中学校区内の本町・雄湊・城北の3小学校が統合されました。新しい小学校は「和歌山市立伏虎小学校」。本町小学校の生徒はこの小学校に通うことになり、その長い歴史の幕を閉じることになりました。

母校がなくなる時、同窓会を開いたのが、本町小学校昭和42年度同窓生。「私たちの頃は、40名クラスで4組もあったのにね」と思い出話に花が咲く中、音楽家となりフルート奏者と活躍している同窓生がいることがわかり、いつかみんなで演奏会を開こうねと盛り上がったそうです。そして、伏虎中学校の跡地に建っ和歌山城ホールで心あったまる懐かしいコンサートを開くことになったのです。

そのフルート奏者は、森田純子さん。大阪教育大学特設課程フルート専攻卒業。日演連オーディション、NHK 洋楽新人オーディション合格。NHK-FM「午後のリサイタル」に出演など、国内外で音楽活動を重ね、今までドイツで4枚のCDをリリース。サロンコンサートや森のコンサートに出演するなど幅広く活躍されています。

プログラムは、「魔女の宅急便~海の見える街」、「タイタニック~愛のテーマ」、「トップ・オブ・ザ・ワールド」、ビアソラ・タンゴの歴史、「カルメン~間奏曲」、ボロディン「韃靼人の踊り」など、ジャンルを問わずにハートフルな曲ばかり。ピアノ伴奏は、細田紗希さんです。

この演奏会は、4月6日(土)午後3時から、和歌山城ホール小ホール。チケットは大人2千円(当日500円増)、高校生以下1500円。問合せは、090-6669-6965まで。

和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会

わかやま新報
とらふすクラシック・345
和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会
「一流」と「音楽の喜び」を体験する和歌山Jrアンサンブル令和5年度修了演奏会が、3月31日(日)午後2時から、和歌山県立図書館メディアアートホールで開催されます。2015年に同館で行われた東京藝術大学音楽学部 「早期教育プロジェクト2015 in 和歌山」を機に、県下の優れた才能を発見、開花させ、夢の実現に繋げることを目的にはじまりました。

第6回目となる今回は、昨秋の公募募集からスタート。1月に2回、2月に1回、そして3月に2回のレッスンを経て、成長していく子供たちがアンサンブル発表会に臨みます。代表講師は、東京からお招きしたヴァイオリンの澤和樹さんと澤亜樹さん、そして和歌山在住のピアノの宮下直子さんです。今回の見所のひとつは、3月29日(金)と30日(土)の最終の2回のレッスンが公開で行われ、澤和樹さんの熱心な指導ぶり・・・一言一言で子供たちの音が変わっていくのを、目の当たりにできることかもしれません。両日とも午前11時から午後5時まで行われるレッスンの聴講は出入りが自由、お気軽に参加できます。

今回の参加者は、中村心春さん(フルート)、中井理菜さん(チェロ)、濱野心さん、大坪咲さん(ヴァイオリン)、岩見虹花さん、柴田陽さん、三木麗結さん(ピアノ)。過去に、ジュニア・アンサンブル講座を受けた先輩たちも参加し、盛り上げてくれそうです。

予定されるプログラムは、モーツァルトアイネ・クライネ・ナハトムジークより(全員合奏曲)、ショスタコーヴィッチ:ヴァイオリン、フルート、ピアノによる5つの小品、ドヴォルザーク:ヴァイオリンとピアノのためのソナチネサン=サーンスクラリネットソナタシューマン:3つのロマンス等です。

この修了演奏会には、ヴァイオリンの澤和樹さんとピアノの宮下直子さんによる講師演奏も特別に行われます。いずれの3日間とも入場は無料です。この機会に、ぜひ県立図書館メディアアートホールへお運びください。