日銀の採用制度変更?

新聞で見かけたこんな記事。

「日銀は多彩な人材確保へ採用制度を改める。特定の大学に的を絞ったリクルート活動や総合職の筆記試験を廃止。弁護士や海外の大学卒業生らの採用を増やす。金融・経済に詳しい有名大卒に偏りがちな人材の幅を広げ、組織を活性化させ、国民や市場に分かりやすい日銀づくりをめざす。」(日経新聞2007年1月22日付け朝刊・第3面)

自分が10年一昔前にいたのは、たぶん「特定の大学」(笑)だったんだろうけど、日銀の採用といえば、「知らないうちにどっかでやってた(らしい)」という代物で、役所が2○番教室やカフェテラス○○あたりで頑張ってやってた“法学部生向け説明会”すら、表立ってはやっていなかったんじゃないかと思う。


それが、「どの大学の学生でも若手行員3人程度を囲んで話を聞ける説明会を頻繁に開く。「地方大学の採用も増やしたい」(総務人事局)」というのだから、世の中変わったものだ・・・・


と言いたいところではあるが、実際のところは、「特定の大学」の法学部の人間がネコも杓子も法曹を目指すようになって、人材確保に窮した末の選択ではないのかな、と思ったりもするわけで*1


大体、元々法学部から日銀に行くような連中は、お世辞にも「金融・経済に詳しい」なんて言えないタイプの人が多かったし*2、人材の幅を広げることと「組織の活性化」との間には何ら因果関係はないし*3、何よりそれが「国民や市場に分かりやすい日銀」につながる、というくだりが意味不明・・・*4


他人事なれど、“意欲的な採用方針”がかえって自分達の手足を縛ることのないよう、願うのみである。


まぁ、霞が関についで、「法科大学院出身者」の採用に意欲的な姿勢を見せている*5あたりは、進路に悩むロー生にとっては朗報なのかもしれない。“普通の新卒と同じ待遇”でも、普通の弁護士よりは遥かに優雅な生活が約束されているのかもしれない・・・のだから、羨ましい限りである(笑)。

*1:この点、「特定の大学」に人材供給源を依存していた某セクターと事情を共通にする面があるのかも、と推察する。

*2:内定した後に「公定歩合」って言葉の意味を一生懸命調べてたヤツもいたっけな・・・w

*3:どんな組織でも、入った直後から周りの手の内が分かっている方が、仕事を回すには何かと好都合なわけで、それゆえに職場が活性化する、ってことも十分にある。寄せ集めのオールスター軍団よりも、ユース世代から同じ釜の飯を食ってきた選手を集めたチームの方がコンスタントに結果を残せる、というのはスポーツの世界でも実証されている。もちろん、異質な者をかき集めて“化学反応”を起こさせることで爆発的な力を発揮できることもあるし、筆者自身もそういう“チーム作り”の方が面白いとは思うのだが、“化学反応”が必ずしも良い方向に働くとは限らないのが人間の集団の特性でもある。

*4:プレス発表をそのまま引き写したんだろうか?

*5:実際に採用内定者がいることが発表されている。

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