ここ数日珍しい文庫本を発見してしまっているのですが
これのほとんどが角川ホラー文庫
この日記の背景にふさわしいものばかりのようです。
あとは、発売しているはずの「異次元を覗く家」(W.H.ホジスン / ハヤカワ文庫SF)ISBN:4150100586 が見つかれば言うことないなのですが…
やはり都心のほうに出向かないとないのかも。


ホラー、と書くとどうしてもおどろおどろとした
殺戮ものを想像する方も多いかと思われますが
私の好みはこの世ならざるものを表現した
コズミックホラーや幻想文学に属するような作品です。
そういった意味では初期のレイ・ブラッドベリ作品や
リチャード・マシスン作品などが好みです。


で、ここでそういった作品の感想を挙げられればタイミングバッチリなのですが
あいにく弾切れです…
昔書いてアップロード忘れたこの感想で勘弁して下さい…

「アクアリウムの夜」 (稲生平太郎 / 角川スニーカー文庫) ISBN:4044275017

こっくりさん、ホワイトノイズ等の都市伝説を使ったミステリ


公園に突然現れた黒いテントと、カメラ・オブスキュラ公開!のチラシに誘われた
主人公広田と、彼の親友高橋は
その出し物の中で現実にはない階段が公園内にある水族館の入口にぽっかりと口を広げている映像を見る。
といった導入で始まる物語は、ゆっくりとそして確実に現実の裏に潜んでいたおぞましい世界へと進んでいきます。


じわりじわりと、怖い。
特に物語後半、崩壊していく世界がすさまじい。
現実なのか夢なのか分からない世界に迷いこんだ状態における描写は鬼々せまるものがあり、
読んでいる私のほうがクラクラしてくるようでした。


こういったゴシックホラーものは意外と数が少なく、
かつこういったヤングアダルト向けとして発売されるものは
特に少ないのでそういった面から見ても貴重かもしれません。


緒方剛志氏のさわやかな口絵が苦味をひきたてています。


どうせだったらスズキモトユさんの感想にリンクしておこう。
文章のうまい方が同じ作品で感想を書かれるとこんなにもうまいということの見本でしょう。
http://picnic.to/~mhk/diary/diary0202c.htm#aqua